第12話 戦いの後に

「皆さん! よくご無事で!!」


ボロボロになった私達を途中で見つけてくれたシロガネ皇帝。

慌てて彼女は私達に回復魔法をかける。


「救護班早く! 聖女の手当を!」


「はいっ!」


ボロボロになったセイラを担架に乗せ兵士達は馬車に向かう。


「あっちょっ! だいじょっ、ふっかつし·····あーん! ちょっと待つんですわー!シノンたんとおはなっ·····」


「うわっ! 安静にしててください!」


気のせいだろうか、馬車からセイラの声が聞こえたような·····


「·····おつかれシノン」


「うん、ありがとうアシュラ!」


アシュラが労いながら差し出した拳に、笑顔でコツンとぶつけた。


「よかったな」


「えへへ、ごめんね。アシュラが言ってくれなきゃ、危うくセイラの作戦に気づけなかったもん、本当にありがとう」


あの時の私が恥ずかしい。

まったく、君は大切な戦いで落ち込むんだからもうあんな事はするんじゃないぞ。


「おぅ·····まっ、それはそれとして今は勝ったこと喜ぼうぜ」


「そーですよ! お二人! これでようやく花街の増設ができます! 本当に助かりました!」


ぶんぶんとシロガネ皇帝は私達の手を握って感謝する。


「凄いです凄いです! 途中から聞こえてきた音に心躍らせながら兵士達を待機させてたんですよ!」


目をキラキラさせながら彼女はそう言った。


「あっあの、シロガネ皇帝·····」


「硬っ苦しい言い方はなしなし! これで、あの子もおお喜び!御先祖様にも報告しなくちゃ! シノンにアシュラ! 二人も疲れたでしょ? 馬車用意してるからさっさと乗って疲れを癒して!

御者さーん! 城まで猛スピードで!」


馬車にいそいそと乗る皇帝。


「·····それじゃ、行くかシノン」


「ふふっ、そうだね」


こうして私達は1つ目の災厄を見事打ち倒したのでした。

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