儚くとも確かに道は夢へと続く
宴会からの帰り道
「渡良瀬さん。ありがとうございました!」
言葉もなく二人で歩いていたが
突然止まったサツキは改まって渡良瀬に言う
ここ最近は、残業もなかったからか
本来の明るさを取り戻していたサツキだが
すっきりしたような弾けるような表情に
少し照れてしまったので
「どういたしまして」と執事の所作のように
恭しく振舞い、おどける渡良瀬
「それで・・えっと・・私久しぶりなので
優しくしてもらえますか?」と
まさか自分から報酬を受け渡そうとするとは思わず
「我慢できないから無理!」と欲望駄々洩れで
言うのであった
ーーー
翌朝
浅草某所異世界堂ビル2F
「オーナー、サツキと二人になるのは聞いていましたので
良いのですが、片付けなどの間に消えましたよね?」
と、お冠なレイア
そして全く意味が分からないが
何やら雰囲気がおかしい事を察して
ぷんぷんテシテシと私怒ってますな行動をしているアカリ
「アカリ、それ怒ってますぷんぷんじゃなくて
力士の四股だから・・・」
その言葉にサッっと後ろを向いて肩をぷるぷるさせるレイア
さすがにお冠だったのもありギリギリで耐える・・・・
「あらあら、うふふ、アカリは将来お嫁さんじゃなくて
お相撲さんになるのねー」
「ぷひゅー」
・・・・事が出来なかった
アカリのファインプレーで空気が霧散して
今日のおやつはプリン2個だ!と
心の中で謎の宣言をする渡良瀬と
知らぬ間に報酬がアップしたアカリ
「あの!」と声を出すサツキに
みんなの視線が集中する
「私、溜まっている仕事が終わったら
言われた通り、会社辞めます!
渡良瀬さんのお仕事を手伝いたいです!」
「それでいいのか?夢はいいのか?」
「確かに夢はキャリアウーマンでしたが
渡良瀬さんのお仕事は
みんなを笑顔にすると思います。
それに、サッと職場になじみ
サッと仕事をするレイアさんが
カッコよかったです!」
「まあ確かにレイアは元スパイでもあるからなぁ
でも、それを抜きにしてもサツキは明るく
すぐ人に馴染めるとこがあるから
案外向いてるな」
「じゃあ!」
「おk、とりあえず普段は下のお店で働きつつ
今回のような仕事の時は潜入してもらうって事で」
「はい!がんばります!」
色々な職場に潜入して色んな仕事を経験できる。
本来のキャリアウーマンとは少し違うが
そこに辿り着いた時はきっと力になるだろう
やった!小さく両手ガッツボーズしているサツキの隣で
真似をしてるアカリだが
どう見てもうんちを出そうと踏ん張りプルプルしてる
様にしか見えないなーと思う渡良瀬であった
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