人が夢を見ると書いて儚いと読む1
浅草某所
今日も快晴な空は希望に満ち溢れているようで
道行く人の顔にも笑顔が溢れているようだ
そんな浅草某所の異世界ビル1Fにある
異世界堂という名のお店にて
商品を物色する渡良瀬の姿があった
「んーどれがいいかなー」
異世界に転移や転生してしまったら
必要になる道具や知識がテーマな
この異世界堂内には
さまざまな商品が置いてある
例えば
異世界話定番のライターやマッチ
スマホやソーラー充電器
簡易テントや折り畳みの椅子などなど
もちろん知識系の本やら異世界物のラノベもだ
「イテ!っつつーイテテ」
今も商品を物色してた振動で上にあった南京錠が頭に落ちてきた
「異世界転移しても文明が低かったらドアに鍵なんてないからなー」
頭にぶつかった反動で開いてしまったカギを閉めて棚にもどした
「あらあら、うふふ。徹さん、プレゼントですか?」
ビクッともギクッともとれそうな行動とともに
渡良瀬は平然と何食わぬ顔で店員である
ユカリに返事をする
「な・な・何が?・べ・別に何時ものことだよ?」
「ぴひー」
そのやり取りを見ていたレイアの方から
何やら空気が漏れる音がした
「なっ!レイアいたのか!」
渡良瀬の秘書のような、何でも屋のような立場の
レイアである
笑いの沸点がかなり低いが、本人は我慢出来ていると
思っている
今も笑っておりませんが?的な風を装ってるが
体がプルプル震えている
「ママの所へ行くのですよね?そのプレゼントなので
ユカリに対して誤魔化さなくてもよろしいのではないですか?
例え今日の夜がユカリの番だとしても・・・」
眼鏡があればクィっとしていそうな冷静な突っ込みをするレイア
「いや、まあそうだけど夜は夜で、ちゃんとユカリの相手するよ?
まだ昼前だからママとはおやつって言うか朝飯前?
と言うよりママから相談があるって言うから行って来るだけだよ?」
「うふふ、ありがとうございます」
誤魔化しているのか言い訳しているのか、どちらもな感じの渡良瀬に対して
ユカリは特に怒ってる訳ではない。どちらかと言えば久しぶりに抱いて貰えるのが
嬉しいし楽しみだと思っている。思っているが、それが渡良瀬には伝わっていない。
捉え処がないユカリがもしかしたら嫉妬して怒っているかと、ほんのちょっぴり
思っての態度なだけだ
「いつものように引き落とししといてー」
何だか居た堪れない空気(渡良瀬が思っているだけ)なので
これでいいか?と最新の異世界物ラノベを持ってママの所へ向かう
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