消えない雨音3
ブーン
「お、来た来た」
「すみません遅くなりましたオーナー」
「オケオケ、バイクあそこね」っと橋に向かって指をさす渡良瀬
「かしこまりました。積んでおきますね」
ガソリンを持ってきたが、知らない少女と一緒に居る渡良瀬を見て
バイクを積んだほうが良いと思いバイクのほうへ歩き出す女性
「なんか飲む?」とアリスに問いかけ、先ほどとは違うカフェオレのボタンを押し
他にも女性への飲み物を買う渡良瀬
話している途中でジュースがなくなって喉が渇いていたアリスは
またオレンジジュースを買ってもらっていた
「うんやっぱカフェオレうまい」
バンっと車のバックドアが閉じられる音が鳴り
バイクを車の後ろに積み終わった女性がこちらへ向かってくる
「ほい、レイア」
「ありがとうございますオーナー」
ポイっと投げ渡された飲み物はなんだろうと缶をみるレイア
いたずらに気づいてジト目になるアリス
にししと笑う渡良瀬
ラベルを見てピクっとコメカミが動くが何食わぬ顔で缶を開け中身を飲み
「お、おいしいです」
思ったのと違う味にびっくりしたが背景にお花が咲く幻覚が見える笑顔で笑うレイア
「んじゃ帰りますか。アリス今日から家に泊まれ」
呼び捨てにされるわ勝手に泊まりにされるわで釈然としない表情だが
今更帰っても気分が落ち込むだけだし、まあいいかと車に乗り込む
ーーー
浅草某所のビル3F
帰りにファミレスでご飯を食べてきた渡良瀬一同
「この部屋好きに使っていいからとりあえず今日は風呂入って寝ろ」
バタンとドアが閉まりシンと静まる部屋の中でアリスは良くわからない気持ちになっていた
(久々にご飯の味がした・・・あれから何も聞かれなかったけど悪い気がしなかった)
バフンっとベットに飛び込んだアリスは緊張の糸が解けたようにそのまま眠ってしまった
ーーー
「どの辺から聞けてた?」
「飲み物を吹き出すあたりからです」
胸のボタンを取り外しながらレイアに話しかける渡良瀬
「録音は?」と聞く渡良瀬に対し「出来ています」と答えるレイア
「まずは対象者だな、明日アリスに聞くから準備よろしく」
「かしこまりました・・・・・・ところで・・・」
「わかってるよ、今日は空きの日だけどレイアの番ね」
渡良瀬はそう言ってそっとレイアをベットに押し倒すのであった
ーーー
翌朝と言っても久しぶりにぐっすり寝れたであろうアリスが起きてきたのは
10時になった頃であった
「んじゃアリス、奴らの名前や住所、電話番号とか分かるだけ全部レイアに伝えといて」
「・・・」渡良瀬も一緒じゃないのだろうか?という表情のアリス
「俺はちょっと野暮用があるから出てくるわ。レイアあとよろしく」
「かしこまりました」
そう言って渡良瀬は2Fの事務所から出ていくのであった
ーーー
カランカラン
バーのようなお店に入って行く渡良瀬は店内をキョロキョロ見渡す
「ママ居るー?」
「はーい」と言いながら奥から出てくる妖艶な衣装を着ている女性
「いらっしゃい徹ちゃん」
そう言って渡良瀬の腕を引き席へと案内するママ
「遅くなっちゃって悪いね。やつら来てる?」
「もう来るわよ」
「ごめんねーオーナーさん」と屈強な体つきの男性2名と
屈強な体つきの女性そして普通の体つきの女性が1名づつがぞろぞろ奥から出てきた
「おい!おまえら、今回は普通の方だ普通の。化粧も衣装も男で来い!」
「あら?そうだったの?」と可愛らしく首を傾けるママ
「もうーオーナー。そうならそうと早く言ってよねー」と言い、ぞろぞろ奥へと引っ込んでいく【男4名】・・・
「徹ちゃん、今回は荒事?」とママは渡良瀬の前に持ってきたカフェオレを置きながら聞いた
「まあ遊びだよ、遊び」やっぱカフェオレうまいなと言いながら口を付ける渡良瀬
「ケガしないでね」と心配しながら渡良瀬に寄り掛かるママに対し
「モチモチ」と微笑みながらママの頭をポンポンする渡良瀬
「もう、ママばっかりずるい!」
そうだそうだと言いながら奥から男達が出てきた
「俺は男には興味ねーの!」
「つれないわねぇ」と残念そうに言っている男達に
「ちょっとばから遊びに付き合ってもらうから昔を思い出しといてよ」
渡良瀬のその言葉に男たちは踵を合わせ敬礼をするのであった
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