第11話
さて、ダンジョンの管理小屋で前回と同じように手続きを済ませてさっさと入口に立ち考える。
そういや今回は随分とスムーズに入場手続き出来た。冒険者ランクが上がったからかな。
それはそれとて、何階から始めるか…
ジガンの為にネームド魔石は欲しいけど、すぐに鍛治設備が整う訳でなし。
〔魔導具で作れば良いので、前回と同じようにミノタウロスの魔石やクイーンアントの魔石はあっても良いと思います〕
作れるの!?鍛治設備!?
〔可能です。どうせ、魔導コンロや下水設備、大型オーブンに冷蔵設備も錬金するのですから、鍛治設備であろうと大抵の物は錬金可能なように情報は収集してあります〕
おおおお!!!
さすが大賢者ナヴィ様!!!
〔マスターが取得した称号、【異世界からの転生者】のおかげです〕
え?なんで?
〔称号の効果により、マスターの世界の情報を少しではありますが収集可能になったため、マスターの考えている魔導具のイメージが理解可能となったのです〕
ひゃー
いい仕事するじゃないか称号も。
んで、それを効率よく利用出来るナヴィはもはや神だな!
いよっし!魔石ガンガン狩ってくか!錬金に大量に必要だろうし、人も増えたから当面の資金のためにも魔石も素材も大量ゲットだぜ!
俺は転移先を10階に決め、ダンジョンでゲットした10階に移動する指輪をはめてダンジョン10階の奥の間に転移した。
11階に降り素材調達のためにグラスランドブルやアルクシープをどんどん狩って行く。
肉、角、毛に毛皮、こいつらはどれも高値で取引される。前回はあまり狩らなかったから、今回は索敵に引っかかった奴は片っぱしから狩りつくす。
みんなの経験値にもなるしね!
他の冒険者達とかち合わないように移動しながら狩っては素材剥ぎ、移動しては狩ってを繰り返しながらどんどん下の階に進んで行った。
18、19階層の蛇型魔物もゴリラ型の魔物も高額素材なので時間を掛けてフロアを索敵して大量に素材をゲットした。蛇革もゴリラの毛皮も素材として重宝されるらしい。肉も意外と需要がある事を知ったので、これもまた大量に取得しておいた。
狩るより素材剥ぎの方に時間が掛かるんだよな。
それでも随分と熟れたもので、他の冒険者と比べるととんでもない早さで処理出来ているんだけどね。
ダンジョンに入って7~8時間経っただろうか。そろそろテントを張っても良いかもしれない。セーフティーエリアに戻るのも面倒だし、このまま19階層にテント張るか。
隠密スキルと結界張っときゃ魔物にも他の冒険者にもそうそう見つからないだろう。
俺は目立たないよう大きな岩の近くにテントを張って、浄化魔法(クリーン)を掛けると異空間を出し中へと入った。
「おかえりなさい、ゼン様」
ナジがすぐさま反応した。
オルトやノエルも口々におかえりなさいと迎えてくれる。
なんだか一気にほっこりするな。
「ただいま。オルト、ジガンの冒険者登録無事終わった?」
「はい、パーティー登録も完了しております」
「ありがとう。じゃあ、ジガンにも経験値は分配されてるね」
「うむ、凄い勢いでレベルが上がっていったわい」
相変わらず髭面で機微が分かりにくいけど、苦笑い、っぽい?いや、喜んでる?のか?
うん、まあ喜んでると思っとこ。
「みんなはどう?鑑定してみようか」
俺は一人一人鑑定していった。
(鑑定)
名前:オルト
年齢:27
LV:14
種族:人族
HP:376/376
MP:370/370
攻撃力:328
防御力:324
魔力:368
魔防:349
俊敏:329
幸運:10
スキル:風属性魔法LV1、土属性魔法LV1、短剣術LV1、(酒造)、(二刀流)
恩恵:ステータス補正(低) LV3、無詠唱LV1、魔力操作LV1、魔力感知LV1、魔法命中率LV1、言語理解LVー
状態:正常、従属契約
称号:犯罪奴隷(濡れ衣)、ゼン・コウダの奴隷
装備:
名前:ナジ
年齢:20
LV:13
種族:人族
HP:360/360
MP:372/372
攻撃力:323
防御力:320
魔力:390
魔防:366
俊敏:314
幸運:8
スキル:商人LV1、火属性魔法LV1、風属性魔法LV1、(槌術)、(盾術)
恩恵:ステータス補正(低) LV3、無詠唱LV1、魔力操作LV1、魔力感知LV1、魔法命中率LV1、言語理解LVー
状態:正常、従属契約
称号:ゼン・コウダの奴隷
装備:
名前:ノエル
年齢:14
LV:12
種族:人族
HP:333/333
MP:376/376
攻撃力:311
防御力:326
魔力:366
魔防:343
俊敏:317
幸運:12
スキル:水属性魔法LV1、風属性魔法LV1、(料理)、(杖術)
恩恵:ステータス補正(低) LV3、無詠唱LV1、魔力操作LV1、魔力感知LV1、魔法命中率LV1、言語理解LVー
状態:正常、従属契約
称号:ゼン・コウダの奴隷
装備:
名前:レビー
年齢:13
LV:12
種族:人族
HP:369/369
MP:327/327
攻撃力:361
防御力:349
魔力:310
魔防:308
俊敏:360
幸運:15
スキル:剣士LV1、(風属性魔法)
恩恵:ステータス補正(低) LV3、無詠唱LV1、魔力操作LV1、魔力感知LV1、魔法命中率LV1、言語理解LVー
状態:正常、従属契約
称号:ゼン・コウダの奴隷
装備:
名前:ジガン・トレバーズ
年齢:131
LV:20
種族:ドワーフ族
HP:413/413
MP:319/319
攻撃力:354
防御力:361
魔力:306
魔防:290
俊敏:294
幸運:25
スキル:鍛冶師LV5、土属性魔法LV2、ハンマーLV3、(大盾)
恩恵:ステータス補正(低) LV3、無詠唱LV1、魔力操作LV1、魔力感知LV1、魔法命中率LV1、言語理解LVー
状態:正常、従属契約
称号:ゼン・コウダの奴隷
装備:
「おお!みんなレベルが10以上だな。ジガンは元々レベルが高かったけど、20まで上がってるじゃないか。しかもステータスが補正のおかげか軒並み300超えてるし!ジガンは上がったレベルが5だからその分補正が少なくて300超えてないステータスもあるけど、普通の冒険者以上のステータスだし何の問題もないわ」
「うわぁー!やっぱそうか!ゼン様、俺さどんどん身体が軽くなるっていうかさ、力も強くなってく感じがしててすげー驚いたんだ!」
「俺も力加減が難しくて、市場で食材購入時に危うく買った品物握り潰すとこでした…」
「あらら、そっか急激なレベルアップの弊害だな」
「私はマヨネーズ作成でとても助かりましたよ。今朝は腕がつりそうでしたけど、レベルアップの影響か随分楽になりました」
ふふふっとオルトが笑う。ノエルも一緒にニコニコだ。
「まあレベルの割にステータスが爆上がりしてるから、そこらの冒険者にも負ける事はないな。後は実践経験とスキルのレベルを上げていけばBランク冒険者にも勝てるだろう」
「え!?そんなに強くなってるんですか!?」
ノエルがさっきのニコニコから一転素っ頓狂な声を出して目を見開いた。
いや落ちるよ!目玉!
「うん、普通にCランク冒険者よりもステータスは上だし、ステータス補正スキルのおかげで満遍なくステータスが上がってるから、Bランクでも勝てなくとも負ける事はないかもね」
「すっげー!俺強くなったんだ!」
「全く実感が……」
俺の言葉にレビーは喜びノエルは呆然とする。
もちろんジガンもオルトもナジもそれぞれ手を握ったり開いたり、本当に強くなっているのか半信半疑だ。
「みんなは夕飯もう食べたの?」
強くなったかの確認はまた後にしてもらおう。俺は腹が減っているのだ。
「あ、はい。ゼン様はダンジョンに行っている事になっているので、私達だけで先に済ませました」
「今日も女将さんのご飯は美味しかったです!あたしも色々料理覚えて女将さんみたいになりたいです」
そうかそうか、ノエルはええ子やねぇ。
思わずグリグリとノエルの頭を撫でてしまう。
ネラがチョコチョコと歩いて来て、自分も撫でろと言わんばかりにグイッと頭を差し出してきた。
ふぉーーー!
可愛い!可愛いのぉ!
おっさんの心臓鷲掴みじゃないの!
こんなの撫でない方が無理よーー!!
俺はネラの頭を撫で回し、我慢出来ず抱っこして頬ずり
〔マスター気持ち悪いです〕
ぐっふぉ…
ナヴィさんのおかげで頬ずりは我慢出来ました……
「そうか、じゃあ悪いけど俺は夕飯取らせて貰うね」
空間収納から幾つか食べ物を取り出し、食べながら今日のみんなの話を聞く。
「ゼン様。ジガンとネラの服は今着ている服を含め、購入致しました。レビー達の勉強用の教材として黒板と石筆(チョーク)など、錬金に必要な材料、あと食材も購入しております。ブールも売っていたので、有るだけ購入致しましたがよろしかったでしょうか」
ナジが市場での購入した物を報告してくれた。
「ブール売ってたのか!ありがとう、ブールは見つけたら全部買ってくれて良いよ。あと、屋台でスープ買う時は寸胴鍋買って鍋いっぱい購入してくれ。若い兄さんがやってるとこなら売ってくれるから。それとクレープとかサンドウィッチ系等もまだまだ買っといて欲しい。果実水も樽ごとお願いね」
「はい、では明日また購入致します」
「あ、それとジガンやネラのベッドとネラ用の椅子も頼むよ」
「承知致しました」
「ゼン様、ジガンの装備はどうしましょうか」
オルトがジガンを見て
「購入してもよろしいでしょうか」と聞いてきた。
そういやジガンの荷物とかやっぱり盗賊に盗られたのかな。
「ジガン、旅してた時の荷物って盗賊に?」
「うむ、ワシの金床ハンマーもなんもかんも持ってかれたわい…」
ジガンがブスっとしてそう言った。
盗賊に盗られたなら売られたよね。
(ナヴィ、盗品って買えるもの?)
〔貧民街の方なら盗品を扱う店もあるかと〕
(そうか…オルト達に行ってもらう?ちゃんと武装すればそうそう危ない目には合わないよね?)
〔オルト、ナジ、ジガンの3人でなら問題ないでしょう〕
(ジガンの持ち物はこの街の貧民街の店に売られた確率が高いよね?まだあるかな…)
〔ドワーフ製の装備は性能が多少良いですがその分高いでしょうし、まだ売れてないかもしれません〕
「ジガン、オルトとナジと一緒に貧民街の店行ってみて。もしかしたらジガンの持ち物売ってるかも。盗品扱うようなとこだから、高額の可能性もあるけど金額は気にせず購入して良いよ。ただ危ないって思ったら無理せず諦めること。店自体が危ないとこかもしれないからね、念の為オルトとナジは装備着けていってくれ」
「良いのか?」
「うん、まあ、あるかどうか分からないけどね」
「そうか…すまねえな」
髭ごと顎をワシワシかいてジガンがぺこりと頭を下げた。やだなんか可愛い。
「ゼン様、ジガンの持ち物が見つからなかった場合は如何しましょう」
「その時は新しい物を買うしかないかな」
「承知致しました」
「オルトは色々気遣ってくれて助かるな。ジガンの事頼むね」
こくりと頷くオルトに秘書か執事かと感心してしまう。さすが番頭をしてただけあるよな。
「あ、そうだ。今日魔物大量に狩ってきたから、素材を冒険者ギルドで買取して貰って欲しいんだよね。共有の空間にしまってあるから、明日お願いしても良いかな。多分毎日の作業になると思う。もしかしたら冒険者ギルドだけじゃなくて商業ギルドや鍛冶ギルドにも売ってもらう事になるかも」
「では、それは俺が担当します」
すっとナジが手を挙げてくれた。
「お、じゃあ頼むな。受け取ったお金は材料費や食費とかで使ってくれ」
「はい」
ナジがニコニコしながら請け負ってくれたので、とりあえずはみんなの生活費に困る事はないだろう。
商人スキルを持ったナジには商品の売り買いをどんどんやって経験値を貯めて欲しい。今後の俺の店はナジとオルトの手腕にお任せである。
他力本願!良い言葉だな!
一通りみんなの話を聞いて、一日目だし特に問題もなく過ごせていたようだ。
レビーだけでなく、みんな手が空いたらネラの面倒も見てくれて安心だね。
「みんな報告ありがとう。何かあったら遠慮なく言ってね。あと、昼ごはんも遠慮せず食べたいだけ食べるように。オルトも買い出しとか終わったら飲み歩き、いや酒作りの研究よろしくな」
「酒?酒を作るつもりか?」
「うん、こっちの酒不味いからさ、美味しい酒を作ろうかなって。俺は無理だけどオルトは酒造スキルの能力持ちなんだよ。まだ覚醒前だけどね」
「ほう、それはまたレアなスキルじゃの」
酒にジガンがめっちゃ食い付いてるけど、やっぱドワーフって酒好きなんかな?
「オルトにはその酒造スキルの覚醒と酒作りの知識取得のために、研究という名の飲み歩きをして貰うつもりなのよ」
「なんじゃと!?ならワシにも研究させてくれんか!?」
「え、鍛治やるんじゃないの?」
前のめりで髭面をむけてきたジガンの圧に気圧される。
心のメモ:ドワーフはやっぱり酒が好き。っと。
「鍛治もやるが、美味い酒は作りたい!」
あ、はい。
力説するジガンにちょっと苦笑しちゃったよ。
まあ、酒作りは俺も力を入れたいとこだしさ。一人よりは二人ってね。
「じゃあ、ジガンも一緒に研究よろしく」
「任せておけ!!」
ガッツポーズかよ。
やる気満々だな、おい。
「よし、じゃあみんなは部屋でゆっくり休んでくれ。ネラはしばらくの間はソファで寝てくれるかな。異空間の方が安全だからね」
ソファに寝転ばせて、毛布を掛ける。
良い子は寝る時間なのだ。
頭を撫でるとネラは小さく頷き目を瞑った。
聞き分けが良すぎる、うちの子可愛いぃ。
「ゼン様は本日もソファですか?」
ナジが心配そうに声をかけてくれるけど、俺はこっから錬金タイムなのだよ。
「うん、作りたいものあるしね。先ずはみんなの鑑定魔導具からかな」
「ベッドで休みたいと思われましたら遠慮なく起こしてくださいね」
ナジはそう言うと異空間から出ていった。
気にしなくていいのに。
さーて、こっからお楽しみの錬金タイムだ。
ナヴィ、先ずは鑑定魔導具作るけど、魔石と魔法陣、後は素材として鉄と水晶を使用するんだよな。魔法陣はお願いね。
〔はい、紙と魔法陣を描くための専用インクをご用意ください〕
分かった。
ふふふ、錬金に必要な材料はちゃんとナジが買ってくれたって言ってたしな。
俺は空間収納から必要な材料を取り出し、紙とインクを準備して魔法陣を描くための筆を持つ。
ナヴィさん、やっちゃってください!
〔鑑定魔導具用の魔法陣を描きます〕
ナヴィが俺の腕を使って紙に魔法陣を描いていく。
流暢に、そして繊細に。
流れるように動く腕は自分の腕とは思えない程に優雅に動いて瞬く間に魔法陣が描き上がった。
〔マスター終了致しました〕
ありがとうナヴィ!
んじゃあ素材と魔石を魔法陣の上に乗せて…
錬金!
スキルを発動させた途端魔法陣が発光し、魔石や素材が溶けだしていく。
〔マスター魔導具のイメージをしっかり思い描いてください〕
オッケー!
イメージ、イメージは…邪魔にならないよう、かつ無くさない物…スマホ!
うん、悪くないぞ、指紋認証?いや顔認証…
〔本人確認なら魔力登録による認証が良いでしょう〕
うぉっ、びっくりした!
おお、そうか、そっちが主流か…
えっと、認証方法は魔力登録、登録された魔力を感知して画面にステータス表示するイメージで、タップしたらスキルや称号等の情報を表示するように、と。
どうせなら通信機能とか付けたいけど…
うん、今の魔法陣と素材じゃ無理なのね。っとと、余計な事はとっぱらって、イメージを固める!
そのイメージをキープしたまま魔法陣と睨めっこしているとだんだんと光が消えていき、魔法陣の上にはイメージした通りの物体が鎮座していた。
「おおおおお!!出来た!!」
〔おめでとうございます、マスター〕
ありがとうナヴィ!
〔早速機能を確かめてみてください〕
おう!
俺は物体、スマホモドキを手に取ってみる。
とりあえず自分の魔力を登録して、スマホモドキの鑑定結果とスキルの鑑定結果とを比べてみる事にした。
結果は!
ドルルルルルルルルルル…ドン!
同じでしたー!ヒャッハー!成功じゃーい!
すげー!錬金すげーな、ナヴィ!
〔マスターのイメージが正確だったからでしょう〕
いやいやナヴィの魔法陣とフォローのおかげだよ!ほんとありがとうな!
俺はスマホモドキに魔力を流しては表示される鑑定結果を見て、魔力を止めてはまた魔力を流して確認をする。
耐久性も問題なさそうだな。
よしじゃあこのまま人数分作成しちまうか。
興に乗った 俺は全員分のスマホモドキを作成し、ついでに予備も作れるだけ作っておいた。後から売っても良いもんな。金になるのでは、とついニヤリと笑ってしまう。
そちも悪よのう、ふっふっふ、なんてな。
〔マスター、顔〕
はい、すみません。
悪人面笑いを止めてスマホモドキの名前を考えるか。
ナヴィはなんか思い付くのある?
俺的には「スマホン」「鑑定くん」「スマホー」「鑑定くん」「スマーホ」「鑑定くん」とかかなぁ。
〔……マスター…「鑑定くん」にしたいのですね〕
え?いやーそんなことはないよ?
〔普通に鑑定カードでよいのでは?〕
!?
ナヴィ!!酷いじゃないか!そりゃスマホみたいに厚みはないけどカードって…
〔確かにカードと言うには厚みが有りますが、マスターのイメージにあるスマホとやら程厚みはありませんし、普通に鑑定カードの方が馴染み易いでしょう〕
くっ…
正論が過ぎて言い返せねぇ。
〔マスター?〕
なんでもないよ。
鑑定カードでいいよ。
正しいネーミングだよ。ちっ。
〔……〕
ごめんごめん。
ちょっと某アニメのアイテムみたいにしたかっただけさ。
タララタッタラー
かんてーくーん
なんて言ってみたかっただけさ。だって空間収納なんて四次元ポ〇ットみたいなもんじゃん。
〔マスター、予備の鑑定カードを売るなら錬金ギルドで商標登録する事をお勧め致します〕
え、スルー?
〔売る予定なのですよね?〕
あ、はい。
すみませんでしたナヴィさん。
売ります、売る予定です。はい。
ところで商標登録しないとダメなもん?
〔鑑定スキルがないと真似する事は難しいですが、絶対に出来ない事もありません。マスターの作った鑑定カードは利便性も良いですし、今までにない物ですので商標登録はしておいた方が良いでしょう。出来ればマスターが作成した事の証明として、サインまたはマーク等も入れておくとなお良いです〕
へえ、そうなのか。
サイン…マーク?
うーん…俺の印象ってなるとブルーグレーの瞳、いや髪の毛も印象的なんだよな。
銀と青…蒼銀、の月…?
青みがかった月のマークとかどう?俺の髪のイメージなんだけどさ。
満月の半分より上側は黒で段々蒼みががって三日月部分は銀色と蒼の混ざった感じ。で、暗い部分に銀色でゼン・コウダのイニシャルZ.K。
こんな感じ。
俺はイメージを固めて俺の鑑定カードの裏側にマークを錬成した。
魔法陣無くても出来るもんだね。
〔素敵なマークですね、一緒にマスターの魔力が付与されてますので真似する事は出来ないでしょう〕
お、マジか。
ナヴィにも褒められたし、全部の鑑定カードにノリノリでマークを付与をする。
あっという間に終わったけれど、さすがに疲れたわ。
〔そろそろお休みされた方が良いでしょう〕
うん、そうするよ。
俺はネラの寝ているソファーの反対側に横になる。
お休みナヴィ。
〔お休みなさいマスター〕
目を閉じるとあっという間に睡魔に襲われる。
良く考えたら、今日は色んな事があったもんな…そら疲れるだろ。
ふわぁ〜…
欠伸が終わるやいなや俺は意識を手放したのだった。
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