遊び人は賢者に成れない

南瓜の王冠

常識的に考えて遊び人に世界は救えない

「さて、ダイスを振ろうか」


賽は投げられた。


「…異世界…一般人…特質は…なにも無い!?」


唯、強いて言うならば—その日の女神の運はかなり悪かった…良くも悪くも。


………

……


「ここどこ?」


異世界?えっ!ステータスとかある感じの?


________________________

____________

名前:アリス 種族:凡人族ヒューマン 性別:男性

年齢:16

クラス:偽勇者:フェイカー

スキル:〈血河屍山レベル:0〉

ギフト:〈アイテムボックス〉〈言語理解〉〈鑑定〉

〈不屈:劣〉〈恩寵:遊戯〉

タイトル:〔遊戯の勇者:偽〕〔転移者〕〔凡庸〕

____________

________________________


…えぇ

何と言うかこう言うのってもっとチート的な何かがあるもんじゃ無いの?

考えても仕方ないので気にしない事にした。私は無理だろうが誰かもっとチートで主人公な勇者が世界を救うだろ。


アイテムボックスの中身を確認してみたら何か色々あった、金貨三枚に銀貨五枚銅貨百枚とギルドカード他にも多少の食べ物などが入っていた。



見た感じここは宿屋の個室だろう。一応すでに金は払っている…筈実は急に転移したから不法侵入なんてパターンはやめて欲しいんだが。


…宿屋の女将さんに確認して見た所1ヶ月分すでに払われている見たいだ。良かった…本当に良かった。


唯一つ言いたいんだけど…私そこまでゲーマーじゃないよ?

別段上手くもないし何なら本読んでたり動画投稿サイト見てる時間の方が多いと思う。




こっわ!なにこれめっちゃ怖い。

うっわ、ずっと宿に引きこもってたいけど宿が安全とは限らないんだよなぁ〜


取り敢えず武器屋に行って武器を買おう。



いや〜ダメだったね。

私が使える武器がない。技術的にも重さ的にも。

なので道具やスコップ?シャベル?—シャベルでいいか—を買った。


冒険者ギルドで調べた限り街を出てすぐの草原のスライムやラビットくらいなら私でも勝てそうだし挑んでくる事にした。


因みに鎧を買わなかった理由は重くて着けたら動けないからだ。


〈遊戯の女神〉


「…どう言う事?」


僕■■■■は困惑していた。かなり珍しい事に…


「ねぇ、剣の?」


「何よ遊戯の?」


「何か僕の選んだ勇者が血河屍山とか言うやばいスキルを持ってたんだけど何で?」


普通勇者のクラススキルは加護を与えた神の司る概念に関係するスキルを取得する。

勇者本人の認識によって手に入れるスキルは違うし本来存在しない固有ユニークと言うべきスキルを手に入れる事もあるけど…


「…遊戯の、何処に血河屍山要素があるのよ?」


剣の女神が凄く奇妙なものを見る様な目で聞いて来たがこっちが知りたい。


「スキルの効果は殺せば殺すほど強く成るもの見たいだけど…あの子にとって殺害は遊びに属するの?」


何それ怖い。割と久しく恐怖を抱いている。

戦えば戦う程ならまだわかる。闘技場は娯楽一種として成り立っているから…だけど殺害って何?それはもう違う何かじゃん!?


「何と言うか…獣の、に由来するスキル見たいね?」


まあそうだね獣の神に由来するスキルは弱肉強食を体現しているものが多い。

それに偽勇者って本当に大丈夫かな?


「怪我をしないと良いけど」


「まあ、他にも救世主候補入るし何とか成るでしょ」


そうかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遊び人は賢者に成れない 南瓜の王冠 @pumpkinthecrown

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ