第46話 勇者一行 VS 人攫い

人攫い達の拠点に参入したルーゼン達が目にしたのは衣服がボロボロになり強姦されたらしき女性達が居る部屋だった


「酷い…なんて事を」


「許せねぇ…」


「これで攫われた人全員なのかな?」


「さっき闇商人が来てたってゼロが言ってたから何人かは既に売られてる可能性があるかな」


ゼロは鼻をひくつかせて匂いを探しているようだ


「あっちに扉があるよ!行ってみよう」


恐る恐る扉を開けるとそこには数人の子供が動けないように拘束されていた


中には泣き叫び出す子供も居た


「泣くんじゃ無い…パパ達が奴等にお金を払えば解放されるはずだから…」


「さっき連れて行かれた子は解放されたの?」


「多分な…だから希望を失うな!」



どうやら1人の子供が解放されたらしい


「うちのパパは無理だね…僕は次男だから見捨てられるだろうな」


「そんな悲しい事言うなよ…」


しばらくすると人攫いが2人部屋に入って来た


「ほらメシの時間だ…手だけは拘束を解いてやるからしっかり食べろよ?」


1人は見張りの為に部屋の入り口に立つようだ


子供達1人1人に食事が配られた


パンが1つとシチューのようだった


ゼロは匂いを嗅いでみた


「毒は入ってないみたい…ちゃんとした食事みたいだね」


「どうする?敵は2人…」


「こっちは俺達がやるからそっちは任せた」


「殺さずに拘束しろよ?」


「わかってる…闇商人の居場所を吐かせるんでしょ?」


「OK!行くぞ!」


ルーゼン達はあっという間に人攫い2人を気絶させて拘束する事に成功した


子供達は何が起こっているか分からずに戸惑っている


「驚かせてごめんね…私達は君達を助けに来たの」


「訳あって姿を消してるけど怪しい者では無いよ…と言っても無理かな?」


子供達の拘束を解くと1人の少女がこう言った


「私は信じるよ…ありがとうお兄ちゃんお姉ちゃん…」


「さてと…おい起きろ!」


リヒタンが乱暴に人攫いを叩き起こした


「うわ!何だ?」


「聞きたい事ある…闇商人の居場所を言え!」


誰も居ない空間から声がするので人攫い達は震え上がった


「ひぃーっ!ゆ…幽霊が出たーっ!」


「騒ぐな…俺達は幽霊じゃねぇ…魔法で姿を隠してるだけだ」


「へ?そうなの?」


「質問に答えろ…闇商人の居場所を言うんだ!」


「わ…わかったよ〜言うから助けてくれ〜」


「命まで取るつもりはない…」


この後残りの人攫いのメンバーも拘束する事が出来た 


観念した人攫いは今までの行いを白状した


「奴は町外れの教会の隠し部屋で取引しているらしい…それ以上は知らないんだ」


「なるほど…次の取引はいつだ?」


「明後日…だと言っていた」


「なら私が囮になるわ…」


「何だと?」


ナタリーの言葉に一同は驚きを隠さずにいた


「危険すぎる…」


「でもそうしないと取引現場を抑えられないわよ?」


「大丈夫なのか?」


「任せて…こんな非道な事をする奴等は根絶やしにしてやるわ」


「とりあえず…女性や子供達を解放してから話し合いだな」


ルーゼン達は被害者達を家に送ると捕まえた人攫いを交えて作戦会議を開くのだった



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