第47話 作戦会議

宿の部屋に人攫い達を連れて入った


「そろそろ良いかな…確か…」


「リアルティ」


アリストが魔法を唱えるとルーゼン達の姿が見えるようになった


「おや?ポンコツ賢者が魔法を思い出したようだな」


「ポンコツは酷いな〜」


人攫い達はルーゼン達を見回すとホッとした様子だった


「本当に人間だったのか…」


「さて…囮作戦の内容を話し合おうか…」


「わかった」



「囮はナタリー1人で良いのか?」


「出来ればそっちのお姉ちゃんも居た方が良さそうだ」


「ミリアムはダメ〜危ないじゃん!」

ゼロはミリアムにピッタリとくっついて離れようとしない


「私なら良いみたいな言い方しないで!」


ナタリーは不満そうに頬を膨らます


「う〜ん…ならゼロも珍しい種族の子供として囮になるのはどうだ?」


「ええっ!大丈夫なのか?」


「ミリアムと一緒なら上手くやれるだろうから」


「それなら闇商人も喜びそうだな…それで行こう」

人攫い達は何やら箱を取り出してゴソゴソ探し物を始めた


「そっちの女はこの服を…嬢ちゃんはこれ…少年はこれを来てくれ」


ナタリーは露出が多いセクシーな衣装

ミリアムは清楚系のドレス

ゼロはツノと翼と尻尾が出るようにしてある服


それぞれに着替えると苦笑いした


「俺が闇商人に連絡取るからメッセンジャーバードを使って良いか?」


「なんてするんだ?」


「良い女2人と珍しい種族の子供を捕まえたから今度の取引に連れて行くけど良いか?とね」


「それで良い…怪しまれないようにして暗号文使うなよ?」


「それはやらないよ…罪を償ってやり直すって決めたからな」


メッセンジャーバードを飛ばしてしばらくすると返事が来たようだ


「取引するって返事が来たぞ…場所は教会の隠し部屋だそうだ」


「そこにはどうやって入るんだ?」


「合言葉があるんだ…懺悔室に入って『花束を渡す』って言えば良い…すると奥に続く扉が開くんだ」


「なるほど…そうやって隠蔽して来たのか…」


「闇商人からの提案だよ…俺達は協力したに過ぎない」


「でも沢山の女性と金持ちの子供を攫ったんでしょ?」

「うう…生きる為に仕方なかったんだ…スラム生まれの俺達はまともな仕事に就けないからな」

「攫った女性を強姦したのはどう説明するの?」

「それは…出来心だよ…魔が刺したって言うか」

「もうそれくらいにしよう…この作戦を成功させて闇商人をやっつけないと」


ルーゼンとリヒタンとアリストは町外れの教会を礼拝するフリをしながら調査した


「身を隠せる場所は無しか…」

「それならミラージュの魔法を使った方が良さそうだな」

「それしか無いみたいだな」


こうして囮作戦の下準備を終えた一行は当日をの迎えるまでそれぞれ訓練をするのだった












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