第41話 ゼロの存在
酒場の仲間の元に戻ったルーゼンとミリアムはなるべく落ち着ついて話を始めた
「え?あのキメラが?」
「喋るとは面妖な…」
「これは最善の方法を考えなければなりませんね〜」
仲間はそれぞれの反応を見せた
「早く意見をまとめる必要がある…アリスト…良い案が無いか?」
アリストは目を閉じて考え始めた
その様子を仲間は固唾を飲んで見守った
何故なら考えを巡らせているアリストに声をかけると考えがまとまらないらしいからだ
ゼロは合成魔獣で人間の細胞をも用いられている…彼の細胞を調べたりすれば同じような魔獣を量産出来るかもしれない…とすれば最善の方法は…
アリストは考えを巡らせてなんとか答えに行き着いた
それは奇想天外な方法だった
「俺を彼の居る場所へ連れて行ってくれないか?」
「何か閃いたようだな…わかった任せるから」
ミリアムとルーゼンはアリストを連れてゼロの元へ行った
それを見送るナタリーとリヒタンはとりあえず少量の酒とおつまみを食べながら待つ事にした
「どうするつもりなんだろうね?」
「わからん…戦い以外に特技がない俺達にはな」
「言い方に棘があるね〜一発やるかい?」
「む?怒ったのか?済まない…言い方が悪かったな」
「別に本当の事だから良いけどさ…」
さてアリストを連れてゼロの元に戻ったミリアムとルーゼンはゼロとアリストを引き合わせた
「どうしたの?アリスト…だっけ?顔つきが怖いよ?」
ゼロは少し怯えたように肩をすくませてる
「上手く行くかわからんが試してみたい魔法がある…悪いようにはしないつもりだよ」
「そうなの?殺されなくて済むなら…」
アリストは魔法を詠唱し始めた
すると呪文がゼロを取り囲み光出した
そしてゼロを包み込んだ光が眩く目を開けられないほどになり収まると…
「うわ〜眩しかった…こうなるなら一言言ってよ!」
ゼロの声がするけど姿は…
「え?誰?ゼロは何処なの?」
キメラのゼロの姿が消えて少年が目の前に現れたのだ
「どうやら成功したようだな…気分はどうだゼロ?」
アリストは目の前に現れた少年にそう声をかけた
「え?オレ…え?え?人間になってる?!」
「ええっ!この子がゼロなの?」
「普通の少年にしか見えないけど…マジかよ?」
「人化の魔法だ…古代の魔法で知る者は少ないから思い出すのに時間がかかった…成功するかも一か八かだった」
「「そんなもん使うな!」」
アリストは怪訝そうにこう言った
「成功したんだから良いだろ?終わりよければ全て良しだ!」
アリストは腰をかがめて人化したゼロにこう言った
「ゼロ…君はこれから人間のフリをして過ごす事になる…決してバレるような発言は控えるように気をつけるんだよ?」
「え?う…うん…ありがとう気をつけるよ」
「と言う事はゼロは町の中に入れるのか?」
「そうだよ…魔物の匂いや気配を消す魔法もかけてあるから安心してくれ」
「やったね!ゼロ…今夜は一緒に寝ようね♪」
「万が一魔法が切れた時はすぐに俺に言ってくれよ?」
「わかってる!」
「感謝するアリスト…」
ゼロは深々と頭を下げた
こうしてゼロはルーゼン達と旅を続ける事が出来るようになったのだ
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