第37話 知らぬは当人だけ

「え?勿論ですわ…」


「言い方が悪かったのですかね…」


「え?」


リンダルトは顔を赤らめて改めてこう告げた


「ディーナ姫…僕の妻になってくれませんか?」


「それって…え?え?本当に?」


「はい…お嫁さんになって側に居てください」


「勿論ですわ…ああ…夢のようですわ」



歓声が上がってみんなテンションが上がった



すると陛下とエルドランから衝撃の言葉が出てきた


「やっとこの日が来たか…待ち侘びたぞ…お前達を婚約者同士にしてから何年経ったかな?」


「かれこれ20年近くですかね?」



黄昏騎士団のメンバーは元よりリンダルトとディーナ姫が驚きの声を上げた



「団長とディーナ姫が婚約者同士だって?!」



「うむ…儂がエルドランにリンダルトをディーナの婿に欲しいと申したのだ」


「二つ返事で婚約を結ぶ事にしたのだ…その為にリンダルトを鍛えたのもあるな」



「ええーっ!そんな事聞かされてませんよ?!」


「言わなかったか?ディーナを頼むと…」


「え?あれってそう言う意味だったのですか?」


「何じゃ…てっきり理解して返事してくれたと思っておったぞ」


「ではわざわざ城を抜け出さなくても会いに行く事が出来たのですか?」


「周りに言えば護衛をつけて送り出しておったのに…」



衝撃の事実を知った一向はしばらく放心状態になっていた



********



その後…アルステミオ王子は療養を終えると裁判にかけられた



判決は無罪



理由はガルダ教の信者に知らぬうちに薬を飲まされて操られていた事で釈了の余地があるとみなされ反省している為だった



そしてもう一つ動きがあった



エルドランが王宮騎士団を引退する事が決まったのだ


そして後釜にはリンダルトが任命された


そして黄昏騎士団のメンバーはそのまま王宮騎士団として常駐する事になったのだ



任命式を終えて慌ただしく騎士団の移動が行われた



黄昏騎士団の使っていた宿舎はと言うとエルドランが新たな騎士団を結成して使う事になった


その理由としてエルドランは騎士として働いて居ないと退屈すぎてつまらないからだと言う



エルドランの立ち上げた騎士団には元王宮騎士団のメンバーも多数所属した


そして騎士団の名前は…


「エンペラーナイツ」


和訳すると皇帝騎士団だとは洒落なのか…



半年後にはアルステミオが王位を継ぐ事になり戴冠式が盛大に執り行われた



その翌日にはリンダルトとディーナ姫の結婚式も執り行われた



国民は歓喜し1ヶ月はお祭り騒ぎになっていた



リンダルトは王宮騎士団長としてアルステミオ国王を支え続ける事になるのだった


  

その後…邪神ガルバランダが勇者によって倒されたと言う知らせが世界を駆け巡る事になるのだった




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