第30話 夢魔ゆえの秘策
「俺なら助けられるかもしれない…」
バスクオムがそう言った
「本当なの?」
皆半信半疑でそう聞くとバスクオムはリンダルトの側に行き手をかざした
「この方法ならあるいは…ただ確実にするには協力が居る…」
「どうゆう事なの?」
「俺がリンちゃんの中に入って引き留めておくから外から解毒作業を続けてくれ…」
「そうか!バスクオムは夢魔だから精神世界の中に入れるんだな?」
「その通りだよ…急がないと間に合わない」
エルドランとセリスは何かに気づいた様子で慌て出した
「待て!その方法しかないがそれをやればお前も無事ではいられないぞ!」
「そうよ!貴方…死ぬ気なの?」
バスクオムはその場に居る全員の顔を見回して笑顔でこう言った
「リンちゃんは本当に良い仲間に恵まれたな…悔いはない…俺の命に換えても助けてみせるから後のことは頼んだぜ…」
そう言うとバスクオムが霧状に変わりリンダルトの中に吸い込まれて行った
「どうゆう事なの?命に換えてもって…」
エルドランは皆にわかるように説明し始めた
「夢魔は夢を介して人間の生力を吸い取る事は知っているな?そして夢の世界は死者の世界とも繋がっているんだ」
「そうなのか?」
ナジュラが不思議そうな顔でそう聞いた
「死ぬ時は眠ったようになるだろ?眠りの世界と死者の世界は繋がっていてな…夢魔は夢の世界を介して死者と話をする事も出来る…その力を使って生死の境を彷徨ってる者を導くのだ」
「なるほど…それが今回の件とどんな繋がりが?」
脳筋のナジュラはイマイチピンと来ないようだ
「生死の境を彷徨ってるリンダルトを引き留めておけるんだよ…バスクオムならば…その間に外から解毒作業を続けて身体から毒素を排出していけば助けられるはずなんだ」
「では俺達も解毒作業を続けよう…バスクオム殿も頑張っておられるはずだから」
レイロウがそう言って作業を進めていく
「でもいくら何でも命と引き換えになんて言い過ぎなのじゃ?」
セリスがその言葉に首を横に振ってこう言った
「彼はリンダルトの毒素を自分の身体に吸い寄せながら彼の元へ向かってる筈よ…外からと中から両方から毒素を除去すれば確実に助けられるから…でもそれはバスクオムの命も危険に晒される行為だわ」
それを聞いた全員が息を飲んだ
「アイツは死ぬ気でリンダルトを助けに行ったんだ…俺達も出来る限りの事をしないと示しがつかないな」
こうして精神側からと外部からと双方から毒素排出をしてリンダルトを救う為に全員が一丸となって動き出した
彼等はリンダルトを無事に救う事が出来るのだろうか?
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