第28話 危機からの脱出と危機再び
リンダルトの様子がおかしいと気づいたレイロウはエルドランに伝えた
「リンダルト殿は敵の毒にやられて幻聴が聞こえているようですね…俺がなんとかしますからこの場をお願い出来ますか?」
「なんとか出来るのか?なら任せるしかあるまい…しかし殿下を傷つけずにこの場を切り抜けるのは厳しいな…対策は無いか?」
レイロウはあまり猶予が無いのに気づいていたのでアルステミオ王子の口めがけて何か投げつけた
「んぐっ!」
アルステミオ王子の動きが急激に鈍くなった
「これでなんとか凌いで下さい!」
「わかった…リンダルトの方を頼む」
レイロウはリンダルトを羽交締めにすると口に薬を押し込んだ
「これが効かなければなす術は尽きた」
そうレイロウは呟いた
唸るリンダルトはしばらくすると辺りを見まわしホッとした様子を見せた
「リンダルト殿…俺がわかりますか?」
「ああ…僕とした事が罠にかかったのか…」
「正攻法では勝てないとわかって毒を使われたようですね」
「マグダラナは?」
「逃げられました…おそらく奴等のガルダ教の本部へ向かったものだと思われますね」
「それより陛下と父上は?!」
アルステミオ王子の攻撃をなんとか凌ぐエルドランだったが武器を跳ね飛ばされたらしい
瞬時にリンダルトはアルステミオの前に立ちはだかり応戦した
「これは…筋力強化されているのか…薬を使われたようですね…手打ちにするわけにもいきませんし困りましたね」
「うああああ…何故…私よりディーナを可愛がって…後継も…私はこの国の為に尽くしていたのに…」
アルステミオ王子の異変に気づいたレイロウはガルダ教の目的に気づいた
「まさか…殿下を操ってこの国を乗っ取るつもりだったのか!殿下に王と姫を殺させて自害させる計画を立てていたな?」
なんと恐ろしい計画だろう
その為にリンダルトの母ラヴァーヌが殺害されて父はその犯人であるダイナレアに騙されて後妻にしたのだ
その後ルルアンとリンダルトはダイナレアによって虐待されていた
父の目を盗んで行われていた
そしてルルアンとリンダルトの命さえ奪おうとしたのだ
結果的にルルアンは悲惨な最後を遂げてリンダルトはバーサーカーの力を目覚めさせた為に死を逃れたのだ
ダイナレアはエミリオとリネアを産んだが2人は普通に可愛がっていた
リンダルトは継母が嫌いだった
真実を知った今…自らダイナレアを殺した事は後悔していない
そうしなければ最悪の結果になっていた
ただ今も危機なのは変わらない
リンダルトはアルステミオ王子の剣をなんとか跳ね飛ばした
「うう…せめてお前だけでも道連れにしてやる!」
激昂したアルステミオ王子がナイフを手にディーナ姫に襲いかかった
「姫!」
グサっ
鈍い音がした
「姫…ご無事ですか?」
「私は大丈夫です…でもリンダルト様が!」
「なら良かった…」
リンダルトはディーナ姫に覆い被さるように気を失った
彼の背中にはアルステミオ王子の持っていたナイフが突き刺さっていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます