第21話 暴走の原因は?

はぁはぁはぁ…


ナジュラと共に戦闘訓練をするが流石のリンダルトも息が上がっていた


「木製とは言えあんなもん振り回して息ひとつ見出さないなんてバケモンかよ!」


「オーガキラーと呼ばれたリンちゃんにそんな事言われるなんて嬉しいね」



リンダルトは飲み物を一口飲むとナジュラに力を上手く使う為のコツを聞いてみた


「特別な事をしてる訳じゃ無いんだよ…日常生活で自然と身についたものだからね〜難しいなぁ…それよりもリンちゃんの力の暴走する理由を突き止める方が早そうだけど…」


「暴走の理由と言っても…ただその時にいつもディーナ姫が側にいるのは気になるけど…」


「何?その話詳しく聞かせろ」


リンダルトは今まで暴走した時の状況や初めて力が目覚めた経緯を話した


うんうんと頷くナジュラは何か分かったようだ


「きっかけは君のお姉さんのルルアンがゴブリンに強姦されて亜人を身籠り、それが腹を破って這い出て来たのを見たリンちゃんが亜人を姿形が無くなるまで惨殺した事なんだね?」


リンダルトは蒼ざめた顔で頷いた


「その後に力が暴走したのはディーナ姫をヘルハウンドから助けた時なんだね?」



「その次がディーナ姫が攫われて助けに行った時に誘拐犯にディーナ姫が傷つけられた時で間違いないね?」



リンダルトは頷くとこう聞いた


「その話で何が分かったんだ?」



「この話に共通してるのはリンちゃんが大切に思ってる相手が傷つけられた時に暴走してるって所だね」


「それが何の関係が?」


「リンちゃんが姫さまの事が好きだって認めて無いのが暴走の原因の一つだと考えられそうだね」



それを聞いたリンダルトは顔を赤らめて驚いた


「僕が…ディーナ姫の事が好き?」



「そうだよ…何だよ…認めて無いんじゃ無くて気づいて無かったのか?」



リンダルトは急に慌てふためき出した



「え?え?え?この気持ちはそうゆう事なの?だってディーナ姫の事は王国の姫君だから大切なのは当たり前で…好きだなんて…」



「自分の気持ちにまで鈍いとは…リンちゃんって意外と不器用なんだな」



「ねぇ!リンダルトが姫様を好きだって認めたら何か変わるの?」


話を聞いていたセリスが問いかけた



「気持ちの持ちようでね…力を集中出来るようになるはずでそれに加えてコントロールする事も出来るようになるはずなんだよ。姫を守るんだって強く思えれば自ずとね」



「なるほどね〜理にかなってるわね」



当のリンダルトというとやっとの事で事態を飲み込めたらしく落ち着きを見せた


ただし顔は赤らんだままだったが…



「つまりがディーナ姫を想う気持ちが鍵になるんだな?」



「そうそう…どうやら少しは分かって来たみたいだな」


ナジュラはニヤニヤしながらそう言った







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る