リンダルト奮闘記編
第20話 バーサーカーの里
野営しながら進む事3日
疲れが見え始めた所…リンダルトが何やら遠くに見つけた
「セリス…あの煙なんだろう…火事では無さそうだけど」
よく見ると少し遠いようだが確かに煙が上がってるのが見えた
「あれって狼煙のようなのじゃ無いかしら?」
リンダルトとセリスは煙の上がってる場所に向かう事にした
徐々に近づき煙の上がってる場所に辿り着くと顔に独特な化粧を施した男が座っていた
恐る恐る近づいて話しかけてみた
「あのすみません…僕達はバーサーカー族の里を探してる者なのですが…」
その男はリンダルトをジッと見つめると
「あんたがリンダルトか?」
と尋ねてきた
「そうです…彼女は有翼人族ですがぼくの仲間で怪しい人物ではありません」
「こっちに来い…案内してやる」
男に案内されるとそこには集落が広がっていて皆顔に化粧をしていた
「族長が待っていらっしゃる…ついてこい」
集落の奥の家に入ると白髪の老人がこちらを睨みつけるように見ていた
手招きされた側に座るとリンダルトの頭をわしゃわしゃと豪快に撫で始めた
「よく来たな!おお…エルドランに何処なく似ておるのう…儂がこのバーサーカー族の族長のバルバロスじゃ…話は聞いておるぞ」
「はい!僕はこの力を何とか制御装置無しでコントロール出来るようになりたいんです!」
「大切な人と国を守るためじゃな?わかった…そこの有翼人族の女性も仲間なのだそうじゃな…ならば客人としては扱おう…長旅で疲れたじゃろうからな…宴の準備をするからしばらく里を案内させよう」
族長はさっきの男を手招きすると里を案内するように命じた
「俺はナジュラと申します…どうぞこちらへ」
里の中を回っているとセリスはかなり目立つので注目の的になっていた
「うわ〜本物の翼だぁ!綺麗だなぁ!」
「本当に天使のように綺麗ね!羨ましいわ〜」
いつのまにか里の人達がセリスを取り囲んでいた
「他の種族を見た事ないだろうから予想はしてたけどここまでとはね…ほらほらみんなその人が困ってるじゃないか!」
ナジュラが里の人達を諭し始めた
「私は良いのよ慣れてるから…ただ少し驚いただけだから」
その夜は盛大に2人の歓迎の宴が執り行われた
大きな獣の丸焼きが中央にあってそれを取り囲むようにご馳走様が所狭しと並んでいる
リンダルトもセリスもすっかり里の人達と打ち解けて酒を酌み交わしたり語ったり楽しい夜を過ごした
翌日は里の人達も二日酔いなのかみんな遅くまで眠っていた
リンダルトとセリスも同様に起きたのは太陽が上まで上がった頃だった
「昨夜は飲み過ぎたねぇ…」
「そうね…でも久しぶりに楽しかったわ」
2人の元にナジュラがやって来た
「おはよう…俺もついさっき起きた所だよ」
照れ笑いしながらナジュラが今後の事を話した
「リンダルトが力を制御装置無しでも出来るように訓練の手伝いをする事になったんだ」
「そうだったのか!改めまして宜しくお願いします」
「そんなに他人行儀なのは無しだぜ〜歳はそんなに変わらないんだからタメ口で頼むぜリンちゃん♪俺の本名は長いからナジュラのままで良いからな」
ナジュラはそう言いながら訓練の準備を始めた
背が高くガッチリした体格のナジュラは歳上に見えたのでリンダルトは驚いた
そして彼の名前がニックネームだった事にも驚きを隠せなかった
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