第17話 ガルダ教の目的

「さっき呟いた言葉の意味を教えてくれ…バスクは何を知ってる?」


急にバスクオムの方を真剣な顔つきでリンダルトが見つめながら問いかけた


「聞こえちゃったのか…わかった…俺の知ってる事を全部話すよ」


バスクオムはリンダルトの方に身体を向けると深妙ない面持ちで語り始めた



「奴らが俺達夢魔を使って何かしらの実験をしてる事は理解してるよな?」


「ああ…」


「どうやら俺達夢魔を捕まえて病気を治せる事がわかってそれを利用しようと考えたらしい…」


「夢魔の能力を利用だって?!」


「ああ…病気を治してあたかも自分達の能力でやったかのように見せかけて信者を集めるんだよ」


「そんなの詐欺じゃ無いか!」


「それ以外にも夢魔の使い道を調べてるようだよ…奴らの目的は世界征服みたいだからね!」



「その為に母さんと姉さんは犠牲になったのか?」


怪訝そうな顔つきでリンダルトはそう聞いた



「その事にも気づいていたんだね…それどころかあの時にお前の事も殺すつもりだったみたいだぜ?」


バスクオムは言いづらそうにそう告げた



その言葉を聞いたリンダルトは恐ろしい事実に気づいてしまった


「まさか…姉さんが攫われて僕達が助けに行った時の事か?!」


バスクオムは静かに頷いた


「あの時…リンちゃんがバーサーカーの力に目覚めていなかったらきっと殺されていたと思うぜ…」


「それを裏から操作してたのって…」



バスクオムは静かに頷いた



「そしてこれは予測の域を出ない話なんだが、リンちゃんの継母は施設から抜け出してる可能性があるな」


「なんだって?!」


「1度抜け出した後にすぐに戻って来たようだが、その時に別人と入れ替わってる可能性があるようだ」


リンダルトの顔はみるみる青ざめていく


「それが本当なら恐ろしい事が起こる可能性が否めないじゃないか!あの人は危険なんだ!」



「そこら辺は仲間に調べさせてる所だよ…それより病気の調査を進めるのが先だろ?」



リンダルトはハッと我に返った


「そうだった!こうしては居られない!」


店を出て走り出そうとしたが…


「リンちゃんそっちじゃ無いぞ!」


バスクオムに呼び止められてしまった


冷静を装っていたがどうやらかなり動揺している様子のリンダルトだった



不穏な空気の中リンダルトとバスクオムは目的地へと急いで向かうのだった

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