第16話 夢魔の能力

「俺達夢魔は人間を魅了して正気を吸う事でそれを魔力に変えて生きてるのはリンちゃんは知ってるよね?」


「ああ…それが今回の病気と何か関連があるのか?」


「実は夢魔は正気を吸うとその人間のかかってる病気まで吸収してしまうんだよ」


「そうなのか?そうなるとどうなるんだ?」


「正気を吸われた人間はしばらく動けなくなるけどかかっていた病気が治ってしまうんだよ」


「なんだって?正気を吸った夢魔はどうなる?」


「病気の人間の正気を吸う事によってその病気をそっくり貰い受けてしまうんだよ」


「!!」


「そして最近その病気で3人夢魔が犠牲になったんだ…何者かが夢魔を捕まえて実験した痕跡が見つかった」


「それは本当か?」


「ああ…そしてそれを実行した組織は判明してる」


「組織?」


「邪神であるガルバランダを信仰する邪教ガルダ教の神官だよ」


その組織の名前を聞いたリンダルトは取り乱した


「ガルダ教だって?!継母もその邪教の信者だったんだよ!まさか…今回の事件と繋がってるのか?」


「そう考えるのが普通だろうしその通りだろうね…で、リンちゃんはそれを知った今…どうする?」


「少し考えさせてくれ…すぐには答えは出せないから…」


リンダルトは深妙な面持ちで黙り込んでしまった


バスクオムはアーノルドとレックスを連れ出した


「リンちゃんはしばらくそっとしておこう…君達はどうしたい?」


アーノルドとレックスはアイコンタクトすると頷いた


「そんなの全面的に協力するに決まってんだろ!」


「ふふっ…リンちゃんは良い仲間を持ったみたいだね」



「俺は国境に向かったナーガ達を迎えに行ってくるわ」


そう言うとアーノルドは国境に向けて急いだ



「なら私はムウとマリエルの様子を見てくるからバスクオムは団長の側に居てやってくれ」


レックスはリンダルトの事をバスクオムに頼むと有翼人族の里に向かうのだった


バスクオムはリンダルトの所に戻って側に寄り添った


「どうやら俺達はとんでもない事に巻き込まれたようだね…国の存亡に関わる渦に…」


バスクオムはそう呟いた

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