第18話 病原菌の出所
リンダルトとバスクオムは病気にかかってる人達が集められている場所へと急いだ
そのにはムウとマリエルの姿もあった
「どうだ?何かわかったか?」
ムウはリンダルト達に気づくと震えを抑えて静かに語った
「これはかなりヤバい菌だよ…どうやら天然なモノではなく人工的に作られたモノだとわかったわ…」
「やはりそうか…だとすると出所はあの教団だろうな…」
「どうやらそっちも収穫があったみたいね…だけどこんな事って…」
ムウは涙を浮かべて嘆いた
「この菌はまず皮膚を腐敗させて筋肉…骨へとじわじわとなぶり殺しをするように徐々に進行していくみたいなの…今は薬でなんとか進行を抑えてる所だけど特効薬を作るには材料が足りないわ…」
「足りない材料って何だ?」
「ナダルヤコフの花と種子よ…あれは採取が難しいのよ」
「それはどこに自生してるモノなんだ?」
「ナダルヤコフは山岳地帯の断崖絶壁に咲く珍しい花で種子なんて採取するのは困難極まりないわ…何故なら何処に種子が落ちるかわからないんだから」
「栽培されてないモノなのか?」
「まず栽培されてるなんて聞いた事無いわ…あったとしても高額で取引されてるモノだから入手は困難だと思うわよ?」
「八方塞がりか…どうするリンちゃん?」
「方法がないわけでは無い…かなり確率は低いがガルダ教が隠し持ってる可能性があるな…」
「あっ…そうか!病原菌を作ったのが奴等だとしたら治すために薬の材料も保有してるのがあるんだな!」
「ああ…夢魔を捕まえて実験してるが自分達で薬を作って売れば大儲け出来るからな」
「その為に私の一族は犠牲になったのか?」
セリスがワナワナと震える拳を抑えてジッと耐えていた
「セリス…もっと怒っても良いんだぞ?君達の種族は実験台にされたようなものなのだからね」
リンダルトはそう言葉をかけた
「許せないわね…自分達の利益の為に何の罪もない種族を犠牲にするなんて…」
マリエルが静かに怒りの感情を表した
「このまま奴等を好き勝手にさせてたら更に被害者が増えるだろう…でもまずはナダルヤコフの花と種子を手に入れるのが先だな」
バスクオムは何やら考え込んでいる
そして確信を持ったのかこう言い出した
「ここは俺に任せてくれないか?もしかしたら何とかなるかもしれない」
「何だって?」
「教団の奴等を探れば良いんだろ?それなら夢魔である俺の出番じゃないか」
リンダルトはバスクオムの狙いがわかったらしく頷いた
「じゃあそっちの線は頼むな!ナーガ達が何か掴んでくれるのを期待するとして俺達がやるべきは…」
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