第8話 セリスとリンダルト

「ひ…姫…あの…その…人前ですのでこのような事は…」



リンダルトは顔を真っ赤にしながら戸惑いを隠しきれていなかった



セリスは咳払いをしながらリンダルトに話しかけた



「あ〜おっほん…お取り込み中の所申し訳ないわね。久しぶりねリンダルト?」



「えっ…もしかしてセリスなのかい?久しぶりだねぇ。ここに君が居ると言う事は僕に用があるんだね?」



「流石…話が早くて助かるわ。姫君は…居ても差し支えない話だからそのままで良いかしらね?」



セリスはリンダルトに目配せしニコリと笑顔を見せた



「あっ…えっと〜ディーナ姫?話がしづらいのでそこの椅子に腰掛けて貰えると助かるのですが…」



「えっ…あっ…ごめんなさい…あまりに嬉しくて…」



そう言いながら照れ笑いを浮かべたディーナ姫は椅子に腰掛けた



「さて…何から話そうかしらね…」



セリスは自分の身近に起こった出来事を順を追って話し始めた



彼女の話だと有翼人の里に原因不明の病気が流行り、昔助けてもらったリンダルトを頼ってこの国にやって来たらしい



「なるほど…その原因を探って打開策を投じて欲しいと言う訳なのか…」



「他に頼れる人物も居ないからね…引き受けて貰えるかな?」



「それならば黄昏騎士団のメンバーにも協力してもらうのが良いな」



「黄昏騎士団?」



「ああ…僕は黄昏騎士団の団長を務めている身なんだ。仲間もみんな喜んで協力してくれると思うよ」



「それは有り難い…是非ともお願いするよ」




こうしてリンダルトはセリスの故郷の有翼人の里の流行り病の調査をする事を仲間に知らせる事になった



城の廊下を歩いていると向こうから鎧に身を包んだ貫禄のある人物がこちらに向かって歩いて来た



「久しぶりだなリンダルト…どうやら回復したみたいだな良かった…」



「エルドラン様…ご無沙汰しております」



「おお…そうだ!今夜はうちでリンダルトの快気祝いを兼ねた食事会をしよう!黄昏騎士団のメンバーも連れて来て欲しい」



「承知いたしました…では後ほどお伺いします」



その様子を見ていたセリスは不思議そうな顔をしてリンダルトに尋ねた



「先程の方は?」



「ああ…エルドラン様は王宮騎士団の団長を務めるお方だよ」



「随分と親しげだったが…」



「その理由は食事会に行けばわかるよ」



「私も参加して良いのか?」



「人数は多い方が良いからね。さてメンバーにも話をしなくてはな」




そう言いながら黄昏騎士団の宿舎に向かうリンダルトとセリスであった




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