第6話 リンダルトの秘密

「バーサーカーって敵が瀕死になるか死なない限りは攻撃を止めない狂戦士の事だろ?」



「はい…リンダルト様がその力に目覚めたのはお姉様が亡くなられた時だったそうです」



「リンダルトには姉貴が居たのか…亡くなった時だと?何があったんだ?」



ディーナ姫は知る限りのリンダルトの過去を話し始めた



リンダルトには5つ上の姉がおり仲睦まじかったようだ


ところがある日リンダルトが4歳になる頃事件が起きた



姉が突如行方不明になったのだ



リンダルトの父は懸命に捜索したが数ヶ月経っても見つからなかった



幼いリンダルト普段から騎士である父の手伝いをしていた


もちろん姉の捜索も手伝っていた



そして姉がゴブリンに攫われて行くのを見た人物を見つけた 



話によるとゴブリンの住処は町から離れた山間の目立たない洞窟だという事が分かった



リンダルトは父と共に騎士たちを引き連れてゴブリンの住処に向かった



見張りのゴブリンを倒して奥へ進むとボロボロの姿の姉がゴブリン達に囲まれていた



ゴブリン達はリンダルト達に襲いかかってきた



リンダルトは普段から父に戦いの訓練を受けていた為に大人並みに戦う事が出来た



ゴブリン達を倒し姉を確認すると驚きの事実が判明した



姉はゴブリン達に強姦されて妊娠していたのだ



そして姉が突如悲鳴を上げるとお腹が蠢いて中からゴブリンと人間の混血である亜人が這い出てきた


姉は出血多量でショック死したようだ



悍ましい光景にリンダルトの中の何かが弾けた



リンダルトは産まれた亜人を形がわから無くなるまで切り刻み続けた



その直後に気絶してしまった



リンダルトの豹変振りに父は何かを感じ取ったらしくこの出来事は秘密裏に処理された




「マジかよ…でもなんで姫さんがその事を知ってるんだ?」



「私がリンダルト様と出会ったのはその数ヶ月後ですわ…城の裏庭で花を摘んでいた時に何処からか迷い込んだヘルハウンドに襲われた所を偶然近くを通りかかったリンダルト様に助けてもらったんです」



「その時もヘルハウンドを倒すとその場に倒れてしまわれました…リンダルト様のお父様が駆けつけられて事なきを得ました…その時に姉様の話をお聞きしたのです」



「リンダルトの親父さんって何者だよ?」



「王宮に使える騎士ですわ…リンダルト様も城でよく訓練されてたそうです」



「救護室に連れて行かれたリンダルト様に力を制御する魔法の指輪を装着させていましたわ」



「今回はその指輪が壊れてしまった為に力が暴走してしまったようですわね」



「事情はよく分かった…これからどうなるんだろうな…」



「何か別に力を制御出来るモノがあれば良いのですが…」

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