第4話 大事件

それからと言うものディーナ姫は合間を見ては黄昏騎士団のある宿舎にやってくるようになっていった


そしてそれに伴い町ではトゥクトゥク鳥の羽が品薄になっていた


どうやらディーナ姫が買い占めていたようだ


「姫…流石に買い占めるのはやり過ぎです…冒険者や行商人にとっては必要なアイテムなのですよ?買えなくて困っていると苦情も来ていますし…」


「わかりましたわ…お詫びとして今あるモノを無償で配る事にしますわ」


城の入り口近くに特設の小屋が建てられて希望者にトゥクトゥク鳥の羽が配られた


「姫さんは考える事がぶっ飛んでて面白いな〜」


「笑い事ではありませんよ…姫が素直な方だったのでこれくらいで済んだのですから…」


「そういやそろそろ姫さんが来る頃なのに遅くないか?」


「言われてみれば…ちょっと城まで様子を見に行って来ます」



リンダルトは嫌な予感がした


足早に城を目指した


門番はリンダルトを見るや否や王様の元へ連れて行くのだった


「王様…まさか姫に何かあったのですか?」


「そうなのだ…実はディーナが攫われたのだ!」


「やはり…脅迫状は届いているのですか?」


王様は震える手で手紙を差し出した


《姫を返して欲しければ1万G用意しろ…それを町外れの小屋まで持ってよこせ…期日は明日の明朝までだ。金を用意出来ない場合は姫の命は無いものと思え》



「なんて卑劣な…なんとしても姫を取り戻さねば…」


「何か秘策はあるのか?」


「それを今考えてます…ん?この花びらは…」


脅迫状の中から1枚の花びらが落ちた


「これはキュアレインの花びら…それも栽培されているものではなく自生してるものですね」


「そんな事がわかるのか?」


「ええ…栽培されているものはポーションの材料ですが自生しているものはエクスポーションの材料になる希少品なんですよ…濃度が違いますね」


「なるほど…そう言う事か…」


リンダルトは何か思いついた様子だった


「ここは僕に任せて貰えませんか?姫を無事に救出して見せましょう」


リンダルトの様子に王様は何か感じたらしく彼に任せる事にしてくれた



宿舎に戻ったリンダルトは団員を集めて作戦会議を始めた


「ではここに姫が?」


「ああ…間違いない…」


「じゃあ俺達が正面から行って囮になって敵を惹きつけている間に裏から団長とマリエルとムウとで救出するんだな?」


「そうなる…良いか?」


「わかった…お前達は無事に姫を救出してくれよ!俺達は思いっきり敵を惹きつけてやるぜ」


「頼んだぞ…アーノルド!レックス!」


こうして二手に分かれてディーナ姫救出作戦は決行された

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