第3話 降って来た女性
ある日仕事を終えて宿舎に戻っていたリンダルト達黄昏騎士団の面々
何処から共なく声がした
辺りを見回すも人影は無く不思議に思っているとアーノルドとレックスが慌てふためいている
「おい!団長…上だ!上見ろ!」
上空の方に目をやると目の前に女性の顔が!
次の瞬間…リンダルトの意識は途絶えた
目を覚ますとそこは黄昏騎士団の宿舎だった
「え〜と僕は一体…?」
「団長、気が付いたか?酷い目に遭ったなぁ」
「よく覚えてない…」
「まぁ仕方ないよな…まさか女が上から降ってくるなんてあり得ん事だしな」
今なんて言った?
「リンダルト様!気がつかれましたね!」
「え?ディーナ姫?何故ここに?」
目の前に現れたのは現国王の愛娘のディーナ姫だった
「実はどうしてもリンダルト様にお会いしたくて花火師の親方に相談したところ、大砲を使えば城の外に行けるでは無いかと言う事で試した結果リンダルト様の頭上まで飛ばされたと言う事でして…」
次の瞬間その場にいた全員が思った事は
もっと簡単で便利な方法があるんじゃ無いのか?と言う事だった
「ティクティク鳥の羽を使えば一発でしょうに…」
「何ですのそれ?」
「ご存知無いのですか?」
「ええ…勿体ぶらずに教えて下さい」
「ティクティク鳥と言う生き物の羽に魔力をかけると1度行った事がある場所に瞬時に移動出来る道具になるんですよ」
「そんな便利な道具がありますの?さぞお高いのでしょうね」
「そんな事ありませんよ。普通に何処の道具屋にも売っていて1枚20ゴールドほどです。冒険者や商人の必需品ですよ」
「まぁそうですの?お父様ったら使用人達に私に教えないように口止めしてましたのね!」
お転婆姫の行動を制限する為の処置だろう事は安易に想像出来た
「こんなに危険を犯してまで僕に会いに来るなんて…2度と大砲を使う真似はしないようにして下さいね」
「わかりましたわ…今度はそのティクティク鳥の羽を使うようにしますわ」
「誰か姫を王宮に送ってあげてくれないか?」
「ダメよ…外はもう真っ暗よ?かえって危険だわ」
外に目をやるとすでに日没しており辺りは真っ暗闇になっていた
「う〜ん…仕方ない…マリエルとムウの家に姫を泊めてくれないか?」
「分かったわ…姫君、行きましょうか?」
「はい…リンダルト様また来ますわ」
その翌日、ディーナ姫は王宮へ送ってもらって帰って行った
「しかし団長ってば隅に置けないなぁ…お姫様に好かれてるなんてなぁ」
リンドルトは団員達に揶揄われていた
「姫とは幼馴染なんですよ…特別と言うわけでは…」
「んなこたぁ無いと思うぜ?出なきゃこんな危険を犯してまで会いに来るかよ?」
「そうなんですかね?」
リンダルトはなかなかに鈍い男だった
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