第3話 夢

「はあっ、はあっっ」

何かに追われているのだろうか

とにかくここから逃げなくてはいけないようなきがして、がむしゃらに走る。

「っっあ!」

バタンッという音とともに倒れ込む。

足に何か引っかかったのだろうか、その思考とともに頭上に気配を感じ上を見上げる。

目の前には鋭利な歯が獲物を喰らう寸前。

恐怖で体は動かず、頭を丸呑みされるのを待つことしか出来ない。ゆっくりと視界が暗闇に覆われ、首に歯が突き刺さる。


「......ィ」





「ああああああああああああっ!!」




「はぁっはぁっ.........夢...か」

全身から汗が吹き出たのか、身体中が気持ち悪い。

「食べられる夢とか最悪だ...」

窓に目を向ければ外はまだ暗く、時計は4時をさしている。

「2度寝するには十分な時間だが、、あんな夢見た後にすぐ寝られるかよ」

俺は、先程みた夢を忘れようと布団から飛び上がり、風呂場へと向かい、身体中にまとわりつく汗を洗い流す。



「たまには朝シャンも悪くないな。さて、時間はまだ5時か。せっかくだし散歩でもするか」


静かに玄関の扉を開け外にでると、空は少し明るくなり始めていた。ブラブラと街を歩いていると海辺が見えてくる。

砂浜にはチラホラ人もいるようだ。


「いい天気だなあ」


キラキラとした水面を眺めながら深呼吸をする。潮の香りが鼻奥を刺激し、清々しい気持ちになる。


「夏の香りか......。昨日の百貴、本当に変だったな。しかもよく分からん能力まで出てきたし。あーーあ!俺にも不思議な力とか眠ってないかなーーー!」


突然大きな声を出したものだから、浜辺にいる人達が一瞬こちらを振り向き、また各々おのおのの行動に戻る。


「ちょっと声がデカすぎたか///

まっ色々考えたところでなんにもならないし、百貴に聞くしかないよな。あいつ、今日は絶対逃がさないからな。」


本日の目標をさだめ終え、携帯を見れば6時すぎ。

時間的にもちょうど良いし、そろそろ帰るとしよう。





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