冒頭で共感覚が治ろうとしていることを告げている。そしてその感覚のお陰で持ち得た刹那の交流。とりたてて深い交わりがあった訳ではない。なのに妙に覚えている事がある。青春期の思い出として誰もがそうした幾つかは持っているのではないだろうか。それは桜のように儚くて、色に例えるならそれは透き通るくらい淡い桜色かも知れない。この美しい物語の一瞬の煌めきは、そんな象徴としての桜色に重なった……
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(227文字)