05話 夜明けの錬金術師1
「本当に僕で良いのか?」
適任なのでは?
「僕は、剣なら教えられるが魔法に関しては僕よりももっとすごい人はいるんだぞ!」
俺はとにかく魔法をつかいたいんだ!
と言うよりも師匠のステータス的に魔法もかなり強いんじゃない?
ちなみ、師匠のステータスはこんな感じだ!
名前: 【ナタリア・グレイサー】
種族: 【ハイエルフ】
称号: 【夜明けの錬金術師】 【僕っ娘】 【モフラー】 【セカンドギフター】 【覚醒者】
魔力階梯:【第六階梯】
闘力色:【橙】
深淵スキル:【遅延する世界】
ユニークスキル:【魔剣召喚(火)】【異空間の扉】
スキル: 【魔剣術】 【錬金術】 【痛覚無効】 【達人武闘】 【鑑定遮断】 【弱点補足】 【魔力感知】
ギフト:【確率操作】 【読心】
魔法適正:【植物】 【火】
覚醒者だし……
ちなみに俺が彼女……ナタリア・グレイサーさんを師匠と呼ぶのは俺の願いで魔力と闘力の扱い方について教えてもらう約束をしたからだ。
「君がそれで良いのなら僕は君の師匠となろう」
ヤッホーい!
それじゃあ早速魔法を……いや魔力について教えてください。
「まあまあ、そんな焦らなくて良いだろう?いまだお互いに自己紹介すらしていないじゃあないか?それと鑑定するときは本人の了承を得てからにした方が良いよ。実力者には気づかれるからね?」
ごもっともです。それに、あって間もない人に鑑定をかけるのは少しデリカシーがなかったな。敵ならいざ知らず彼女は友好的だ。しかも女性だしね。僕っ娘だけど。
「それじゃあ改めて、自己紹介をしよう。僕の名前はナタリア・グレイサー。ギルド暁の星に所属している錬金術師さ。皆んなからは夜明けの錬金術師と言われている。文明を500年進ませた超がつくほどの天才。冒険者ランクはS。そして、モフラー同盟会副会長をしている」
最後に関してはどうでも良いけど文明を500年進ませたとはとんでもない人なのかも知れない。
それに、気になる単語が出て来たな?冒険者?ギルド?まぁ、それに関しては後でで良いか。
「次は君の番だよ」
俺は、セナ。元人間で管理者を名乗る老人によって宝石獣としてこの世界に転生した。今は虹石幻獣になったけど。まぁ、基本はこの異世界を満喫するのが俺の目的です。
「ここを異世界と呼ぶのだから君はこの世界とは別の世界から来たということかな?」
そうなるね
「興味深いな!それに管理者というのは創造神カンシス様のことを指すのだろうか?古い文献ではカンシス様を管理者または見守る者と称されている。しかし、容姿については見たことも聞いたこともないから…………わからんな!」
あの老人ってこの世界ではカンシスって名前なのか?
それよりも信じてくれるのか?こんな突拍子もない話。
「僕は【読心】が使えるからね。セナくんが嘘をついているかついていないかはちゃんとわかるんだ」
てか、一番デリカシーがないのは師匠なのかも知れない。あまり心を読まないでくれないかな?
「心を読まないとセナくんと会話ができなくなっちゃうんだよ?」
それもそうか。ならこの姿なら大丈夫かな?
俺はスキル【獣人化】を使い人の姿に変化した。
「これで普通に会話ができるな!」
「………………」
ん?師匠?
ちなみに今の俺は裸のままだ。ちゃんと大事な部分は尻尾で隠している。
3歳児ボディのため師匠の様子を見上げた。
「ぶバァ!!!!!」
師匠から大量の鼻血が噴出した。出血死するんじゃないかコレ?
「……美幼児……モフモフ……可愛い」
師匠が壊れた。
その後、復活まで丸一日掛かるのだった。
◇
「さて、セナ君がいた世界については個人的に気になるところではあるが、早速魔力についてやっていこうか?時間は腐るほどあるからね?」
あれから丸一日が経過し今日がやって来た。
師匠は復活したが、俺をみると何故か鼻血が出るらしく鼻に詰め物を入れている。ちなみに今の俺はちゃんと服を着ている。
「まず、魔力について説明しよう」
おぉ!遂にか
「魔力とは、大体の人が持っており色が付いている。火ならば赤、水なら青と言った風にね。セナ君の場合魔法適正が光だから橙色の魔力を有していることになる。そして魔力は周囲の魔素を引っ張る性質があるんだ。魔素って言うのはこの世界中に漂っている元素で学者界隈では万能元素と呼ばれている。まぁ、何にでも変化できる元素だね。熟練の魔法使いは周囲の魔素を吸収して魔力に変換し魔法を行使する人がいる」
「え〜打ち放題じゃん」
ほぼ無限の魔力を持っていることになるんだろ?だったら魔力増やす意味なくない?
「ところが、魔力変換には大きなデメリットが存在する」
「デメリット?」
「そう。変換をするのに一度魔素を魂へ経由させ、変換されるため魂が摩耗し感情がなくなる。このことを一昔前では魂魄摩耗症と呼んでいた。しかし、今は魂が摩耗し感情がなくなると言う考えは否定されている」
「え?違うの?」
「感情が無くなることについては変わらない。仮定が違ったんだ。我々は魂がすり減ることで感情がなくなると思っていたのだが実際は魂から発する光が薄くなることで感情が消えることに気づいたのだよ。故に我々はそのことを魂魄薄光症と改名した」
魂の光か、そう言えばあの老人は俺のことを最初恒星と間違えたんだっけ?やっぱり魂って光ってんのか?
「魂から発する光。我々はこの事を
なるほど、勉強になったわ〜
「話が脱線したね。まぁ、魔力変換ができるようになってもなるべく使わない事をオススメするよ。あ、セナ君には関係ないか。それじゃあ自身の魔力感知の習得から始めようか。これに関しては他者から魔力を送り込んでやらないと気付けないからね。中には自力で覚えちゃう人もいるけどこの方が一番手っ取り早いから。じゃ、両手出して!」
俺は言う通りに両手を差し出し師匠が俺の両手を握った。
「魔力を送り込むよ!少しくすぐったいかも?」
「ッ!?」
その瞬間、身体中に虫が這うような感覚がしたがそれは一瞬だった。身体中がポカポカする。この温かいものが魔力なのかな?確かに自分の中に存在していることが分かった。
〈スキル【魔力感知】を取得しました〉
「どう?」
「なんと無くわかりました。この温かいやつですよね?」
「そう。それが魔力だよ。あとは感覚で魔力を操作できると思うんだけど?」
俺は自分の中にある魔力に意識を向けて手のひらに移動させる。すると右手から橙色に発光している野球ボールほどのモヤが出て来た。
「それが君の光属性の魔力だよ。あとはイメージと構造そして自分自身の意思を明確にして魔法を発動するんだ」
早速、豆電球をイメージして手のひらに小さな光の玉を発動させた。
「
これで、俺も魔法使いになれる。
くくく
ふはは
あーはっはっは!
その後、調子に乗って光球を出しまくり魔力欠乏でぶっ倒れるのであった。
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