アドミニストレータ
「目覚めよ!人の子よ!」
もう少しだけ……あと5分……
「目覚めよ!人の子よ!」
後もうちょい
「早よ目覚めんか!」
もう、せっかちだなってデカー!
起きると目の前には馬鹿でかい老人が俺のことを見下ろしていた。
「やっと目覚めたか人の子よ」
な、何者だ?
「わしはアドミニストレータ。この宇宙の創造者にして宇宙を管理する者じゃ」
宇宙を管理する者?
「周りをよく見てみると良い」
俺は老人の言った通り周囲を見渡した。
そこにはまさしく夜空に散りばめられた宝石の如く
色とりどりの発光体が無数に浮かんでいた。
ここはもしかして宇宙空間?
「左様。お主の魂はお主がいた宇宙から我が管理する宇宙に流れて来たのじゃ」
そうか、俺はあの時強盗犯に撃たれ……
「お主は、病院に運ばれたが間に合わなかったようじゃの」
死んだのか。家族や春香にはもうあえないと。
「そうなるの」
生き返れる……
「無理じゃ」
もう少し考えてくれても良くない?
「すまんの。我の宇宙内であればできたかもしれんが他宇宙となると干渉できんのじゃ」
既に余所者が干渉しちゃったけど?
「恐らくお主は、イレギュラーじゃよ」
イレギュラー?
「そうじゃ。お主の魂は宇宙間を渡れるほどに丈夫なのじゃよ。恐らく惑星内に存在する輪廻転生の輪から何らかの拍子で外れてしまったのじゃろうな」
そんなことってあるの?
「まぁ稀にあることじゃ。そこで我の宇宙とお主がいた宇宙を繋ぐ次元に綻びが生まれお主が巻き込まれたと言った感じじゃな。ちなみに最初、お主を発見した時は新しくできた恒星なのではないかと勘違いしてしまったのじゃ。魂は輝きが強ければ強いほど丈夫であると言われておる」
つまり、俺の魂はウルトラソウル!ということか。
「わしがこれまでに見た魂の中で最も輝いておる」
へぇ〜。というか、俺はこれからどうなるの?
「そうじゃな。お主、始まりの星で転生して見ぬか?」
始まりの星?
「そうじゃ。この宇宙が誕生してすぐに生まれた惑星じゃよ。魔法が存在し様々な種族が生息している世界じゃな。いわゆるファンタジーな世界と言ったところじゃ。エルフとかおるぞ?」
是非その世界に転生させてください!
「よかろう。お主に見合う転生体を用意しておこう」
ありがとうございます!
「それとお主に役立つユニークスキルとギフトを授けておこうかの。ついでにナビゲーターも付けておくか」
その後、老人は何処かへ消えたかと思えばすぐに戻って来た。
「準備は整った。何か分からなければナビゲーターを頼ると良い。それじゃあ転生を始める」
その瞬間、ブレーカーが落ちたかのように意識が飛んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます