第99話 最高の証
SJW×DIVAは、勝敗1対1で大将戦にもつれ込んだ。
大沢はツートップのアキラとサクラを大将にあてるサプライズ編成。
対するDIVAは吉祥とツツジ組。
「吉祥は全く隙がない。うちは最高戦力を集中する」
「……すごい戦いになりそうですね」
4人が入場すると、ドーム3万人の大観客が歓声を上げた。
「うわ……今まで見たことない盛り上がりです」
「歴史の1ページになるぞ。よく見ておけ」
「はい」
ゴングが鳴る。
ツツジとアキラが組手を牽制し合う。
お互い柔道出身者、両者ともなかなか優勢を取れない。
(ツツジ……がんばれ)
ミナミの内緒の応援を受け、ツツジが攻勢に出る。
一気に間合いを詰め、小内刈り、払い腰、そして大外刈り。
アキラは器用に捌く。
一旦離れると、サクラにタッチ。
ツツジも吉祥に代わる。
この二人は、真正面からガチンコで両手を組みあう。
所謂、手四つだ。
力はサクラが上。徐々に押し込むが、そこから吉祥の動きは速かった。
足を絡めてサクラを倒すと、ロープの反動を使ってドロップキック。
サクラは水平チョップ連打で反抗。
今度は吉祥をロープへ投げ、帰ってきたところをラリアット。
吉祥は前転で避ける。
「よく見ておけ。吉祥の動きを。いつか、ミナミの参考になるはずだ」
大沢は、なぜかヒールのサクラではなく、吉祥を見るように指示する。
「は、はい」
なぜかはわからないけど、いずれにしても目を離すつもりはない。
吉祥の動きは、アキラやサクラと対峙していても明らかに冴えている。
試合は目まぐるしく4者が入れ代わり立ち代わり技を出し合う展開。
転機はサクラだった。
吉祥が大技、パワーボムを仕掛ける。
その瞬間、サクラは口から毒霧を吉祥にお見舞いした。
「うわっ、毒霧!?」
ミナミも知らなかった奥の手だ。
吉祥は不意を突かれ、そこからサクラの猛攻を受ける。
パイルドライバー、リングサイドに落としてパイプ椅子攻撃。
リングに戻り、決め技の垂直落下式ブレーンバスター。
ツツジが止めに入る。
アキラも入って混戦状態。
回復した吉祥が乱戦の隙をついてサクラをボディスラムの態勢で抱え上げ、そのまま飛び上がり自分お体重もかけて垂直に落とした。
ノーザンライトボム。
吉祥の必殺技が炸裂。
アキラがカットに入る。
ここでゴング。
観客も大満足の好試合だった。
結果は両者引き分け。
しかし、オーロラビジョンには4人のスコアが表示されている。
吉祥のスコアは、他の3人より抜きんでていた。
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