第52話 衝撃の事態
SJWの朝練人気は衰えず、もはや完全に定着していた。
プロテストが終わったので、ミナミだけを優遇した特訓は終わったが、アキラやサクラは引き続き若手たちの指導役を買って出ていた。
今はサクラがリングで若手を指導している。
ミナミは、いつリングに上がろうか、とタイミングを計っていた。
そんな矢先、衝撃の事態が発生する。
「邪魔するぞ。いや、ここはおれたちの練習場でもあるから、今日からよろしく頼むな」
そのど太い声。
イズミだった。
他に数人のQoR選手を連れてきて練習場に入ってきた。
「い、イズミさん!?おはようございます。え、と、2時間予約してから来られると言ってませんでしたっけ?」
ミナミが慌てて応対する。
「今日は朝練参加しに来たんだ。悪いか?」
「え、本当ですか?もちろん、是非に。でも、少し手狭で……」
「かまわねえさ」
そして、リングに向かう。
リングサイドで指導をしていたアキラがイズミに向かい正対する。
緊張感が走る。
アキラはさっとパイプ椅子を持ち出すとリングサイドにおいて声をかけた。
「イズミさん。こちらどうぞ」
イズミは会釈する。
「ありがとう。でも、リングに上がりたい。肌と肌でぶつかりたいんだ」
リング上のサクラと合流して若手指導に参加するという意味だ。
アキラはリングサイドにいる選手に、ロープを開けるように声をかける。
「ありがとう」
こうして、アキラ、サクラだけでなくイズミの朝練合流も実現。
(何というめちゃ豪華な指導陣かしら)
ミナミは選手たちの歓声を聞きながらほっとするのだった。
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