第47話 ?-?《……考えるのが、めんどくさい》

 はげしい地響きがしました。

 いえ、正確には空気がひび割れるかのような爆発音がしたのです。

 音に振りかえると、〈イエロー〉が燃えていました。

 きっと、あたしとお姉様との〈惑星〉も、燃えているのでしょう。

 青い炎に包まれる〈イエロー〉を見ていると、不謹慎ですが、なんだか気分がすかっとします。

 あたしはこの場所を守りたかったはずです。

 ですが、燃えているのを見ても、まったく焦りはありません。

 ただ単純な驚きがあり、その驚きの対象は、むしろあっけらかんとした青いあたし自身に向けられたものです。

 火事は学校を中心とし、円状に広がっています。

 強いて言うなら、少し、円が歪んでいますが。


「細かいことは気にするな。気にしたら負けだぞ」


 甜の声がどこからか聞こえてきました。

 あなたが、これをやったのですか?


「細かいことは気にするな。気にしたら負けだぞ」


 ……たしかに、そーですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る