第46話 自己をとてもいいかげんな気持ちで滅ぼす
ここであたしが目覚め、パンになっていれば四方丸く収まるというものですが、残念ながら、あたしはパンが見た夢ではなかったみたいです。
「あの、解体ってしたことありますか?」とあたしはおじいさんに尋ねました。
「どうだったかな。したような、してないような。あったような、なかったような」とおじいさんは答えます。
「そんなあやふやになってしまうものですか?」
「うーん、寝ている間に終わってしまったのかねぇ」
どのタイミングかは自分でも分かりませんが、とっくに解体を終えていたのでしょうか。
地球での事情はよくわかりませんが、あたしくらいの年齢の女の子は、自分を解体したり、中心をずらしたり、自己をとてもいいかげんな気持ちで滅ぼすのも、比較的楽にこなしてしまうのです。
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