第40話 脈絡(つまり、人の生き死にだね)
――あーあー、一本でいいのに。さ、パパが〈イエロー〉をぶっ壊すから、早く一緒に故郷に帰ろう。
ここを狙っている宇宙人って、パパだったんですか?
――お前をそこから解放するには、これしかないと思って。
余計なお世話です。
むしろ、ここを壊されても困るんですよ。そもそも、パパはあたしを見捨てていったじゃないですか。
かぐやさんという人と、うまくやってるんでしょう?
――それはさ、なゆたが実は、ママが欲しいんじゃないかと思って……。そりゃあ、かぐやの尺八はすごいけれど、ぼくたちはそれだけの関係じゃなく、プラトニックかつ、同郷のよしみというか、複雑なヒキコモゴモがあるというか……。
パパ、さっきから、随分とこじつけチックじゃありません?
――何を言っている、こじつけをバカするな。お前もパパとママのこじつけから生まれたのだよ。
ママはいないんじゃなかったんでしたっけ?
――ぎく。酒は呑んでも呑まれるなだぞ、なゆた。
急にそんなこと言われても、さっきからもう、メチャクチャ。パパは、大事なことを適当に言うし、どうでもいいことを大仰に言うのだから。
――ほ、ほら、あれさ。世界から、脈絡(つまり、人の生き死にだね)を消去してしまったからさ。
もう、いいです。
あの、黄色いものはどうしたらいいですか?
――テキトーに窓から捨てちゃえ。
あ、そうですか。
あたしはこの世界に残った最後のその場の空気を読み、黄色いものを放り投げました。
あとは、どうすればいい?
(……レーザーなんて、甘くみられたもんだ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます