第41話 死は、脈絡があってこそ、はじめて存在可能なのです。

 ――――――――――――――――――――

 結論から言ってしまえば、お話はここで終わりです。黄色いものに守られていた〈あたしa〉はここで死んでしまったのですから。

 ですが、あたしそのものは、もちろん生きています。ここから先は、青いあたしに任せることにしましょう。

 きっと、青だけではなく、頭には多数の(一〇〇那由多くらいの)〈あたし〉のストックがあるのでしょう。青いあたしだって、わりかしすぐ死んで、次のあたしにシフトしてしまうかもしれません。

 バナナが世界の中心であり、かつ、バナナには種子がないことを考えれば、それも仕方ないことです。

 文脈などどうだっていいですし、どうでもいいですが、文脈を意識的に断絶すれば、不死だって可能なのです。

 死は、脈絡があってこそ、はじめて存在可能なのです。

 よくわからなくても、大丈夫。

 この世界は、とりあえず空気さえ読んでいれば、あとはなんだって構わないのですから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る