　ずっと逃げ出したかったのに、どうしてだか、ざわめきがとまりません。

　お姉様のことが、気になってしょうがないのです。

　ここがなくなっても、お姉様が死んでしまうわけではない。

　会おうと思えば、どこかでは会うことはできるでしょう。

　でも、あたしが大切にしていたお姉様との〈惑星〉はなくなってしまいます。

　あたしはこの世界に強い違和感を覚えています。

　だけど、お姉様の惑星だけは、そういう窮屈な想いをせずにすみますし、その窮屈さが付き纏っても、お姉様が癒してくれます。

　あたしは、この惑星を守りたい。

　でも、だからといって、どうしろというのでしょうか。

　敵の正体もわからず、対策など何一つとれない今、あたしのこの気持ちに一体、何の意味があるのでしょうか。

　想いをただ叫び続けているだけなら、何もしないでいるのと、何も変わらないじゃないですか。

　サルは、「じゃ、おれ仕事あるから」と、大きな業務用の掃除機やポリッシャ―を台車に乗せ、部屋を出て行きます。

　あたしは、詳しく話を聞くため、サルのあとを追い、職員室へと向かいました。

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