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 着信は、マサキからのメールだった。スマートフォンの画面に表示された件名は「昨日の件について」。

 昨日の件。私は思わず唾を飲み込んだ。あの廃校での一件に決まっている。私の脳裏に思わずミナの顔…死に顔が浮かぶ。

 半ば緊張しつつも、彼のメールを開いた。


 マサキです。昨日は夜遅くまで、お疲れ様でした。

 さて、いきなり本題となりすみませんが、明日の午後七時、あの廃校までお越しいただけますでしょうか。

 早急にミナさんの葬儀を我々で執り行なうよう、サイトの管理人より連絡が来ました。忙しいとは思いますが、必ずご参加ください。よろしくお願いします。


 内容はそれだけだった。

「葬儀?」

 まさか、そんなものをするなんて。

 彼女が公にできない状況下で死に至ったため、遺族に遺体を返せないが故に、形だけでも内情を知る者でやっておくべき。そのように、管理人が判断したのだろうか。

 正直、行きたくはなかった。葬儀に出席する義理がないし、私が哀悼の意を示したとしても、彼女が喜ぶわけがない。それは確実なことだったから。

 しかし…そこでマサキらの顔が頭に浮かぶ。

 ここで行かないとなったら——。

 思い悩む、そんな時だ。スマートフォンが私の手の中で、またも振動した。

 葬儀について、何か伝え漏れがあったのだろうか。そんなことを思いつつ、画面に表示された通知内容を見た。

 それを見た途端、心臓に鉛玉なまりだまを食らったような衝撃を受け、私は思わず目を丸くした。


『satou.mina@xxx.co.jp』

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