第1章 登録
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大罪を犯した者に課せられる、死刑という刑罰。海外各国ではやり方に様々な種類があるようだが、日本ではたった一つ。それを絞首刑として定めている。
縄を首にかけ、穴から下へとひゅーん、すとん。それまで私の頭の中では、その馬鹿みたいな擬音でそうなるものとばかり思っていた。
しかし現実はまるで違った。
首が締まるというものは、そんな簡単な、それでいてこざっぱりとした音で片付くものではない。それを、強く実感した。
——雨の音で、目が覚めた。
今朝、目が覚めて最初に実感したことは、自分がこうして息をしているということだった。
寝起きの渇いた呼吸、働かない頭。薄汚い天井に、光の入らない部屋。生きているとは、こういうことなのだ。それまで気に障っていた、どことなくよどんだ空気でさえもまた、それを感じることができて良かったと思えた程である。
しかし次の瞬間、自分が昨夜、何をしたのかを思い出して飛び起きた。
何度か
無い。
昨夜のことは、やはりどのニュースでも取り上げられていない。そこで
あれから、夜が明けたのか。昨夜あの場所に自分がいたことを思い出して、ぼんやりと天井を眺める。
あんなことをしたというのに、こうして何事もなくそのまま自宅に帰ってくることができた。しかし、心は晴れやかとは言い難かった。
あれが死ということ。その恐ろしさを、しっかりと実感することになった。
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