9月14日
――――おしまいだ。止まらねェんだ、かつやの漬物が。
かつやの漬物をご存じだろうか。
かつ丼チェーン店かつやのすべての卓に置いてある大根の漬物なんだけど、これが恐ろしく美味い。しかも、しょっぱいんだけど米がマストというわけでもないくらいのしょっぱさなので、かつ丼を食べ終わった後もポリポリと貪ってしまう。かつやの漬物と水のループが止まんねえんだ。
そんなわけで今日はかつやに行ったんだけどそんな話はどうでもよくて、今日は久しぶりにVRChatで遊んだ。
VRChat。
いま世界で一番人気のVR SNSだ。(たぶん)
VRChatと名がついているがVR機器が必須ではなく、PCからでもアクセスできる。基本的には、アバターを着ていろんなワールドを散策して遊ぶ。VRChatの中には宇宙空間や深海、コミックのような世界やファンタジーワールドなど、多岐にわたるジャンルの3Dワールドが星の数ほど存在している。
中にはゾンビを撃ち殺すギミックがあるワールドもあれば、入った瞬間目の前にテキストが浮かんできて、ギミックを解きながらシナリオを進めるゲームワールドすらあり、フレンドと一緒に駄弁りながらいろんなワールドやゲームをプレイするだけで一生遊び続けられてしまうコンテンツだ。
VR機器を持っているとその世界に実寸大で入り込むことができ、体を動かしてボタンを押したり剣を振ったりすることができる。わたしはVR機器を持っているので今日もサイコバニー(アバターの姿)に扮して仮想世界を冒険してきた。
気付けばVRCをはじめて二年が経とうとしている。はじめのうちはいろんなイベント(〇〇好き集まれ! や、初心者集まれ! など)に顔を出して友だちを作っていたけれど、最近は友だちを増やすようなモチベもなく、Xで見つけた綺麗なワールドを一人散策することをメインにしている。
でもそんなわたしにも大切なぶいちゃフレンズがいて、今日はそんな友だちが「お誕生日おめでとうワールド」を作って出迎えてくれた。
言ってる意味が分からないよね。わからないと思う。
前述のとおり、VRChatはたくさんの3D世界で溢れているのだけれど、そのすべてが有志の作った世界である。Unityという専門ソフトを使い、ゲームのマップを作るかのようにワールドを作っている。どんなビジネスモデルやねん! って感じだけれど、わたしも2個程ワールドを作ったことがあるので人のことは言えそうになかった。
彼女(正確な性別は不明だが、女性のアバターを使用しているのでここでは彼女と呼ぶ)はUnityという専門ソフトで、「りしゅうさんお誕生日おめでとう!」という花火が打ち上る世界を作ってくれたのだ。わたしのためだけに。
嬉しい~~~~~~~~!
VR空間でのコミュニケーションは、アバターではあるが人間同士の距離感があり、ジェスチャーがあり、声の指向性がある。
つまり、視覚と聴覚が完全に支配される。
人間の体ってすごく不思議で、視覚と聴覚を支配された状態だと、触角まで感じられるようになるんだよね。すごく簡単な例で言うと、VRでジェットコースターの動画を見るとヒュン!!ってなりそうじゃん。あれ、突き詰めると「自アバターの頭部の位置に手を置かれると、頭を撫でられるような感覚になる」んです。
これマジ。
ハイレベルな人たちは、猫耳アバターの猫耳を触られたときに、ないはずの猫耳を触られているような感覚を覚えることすらあるらしい。
そんなわけでVRコミュニケーションは、かなりリアルのコミュニケーションと感覚が近い。それなのにお互いの顔は見えないから、なんだか不思議な気分になる。
修学旅行の夜、布団を被ってこそこそ恋バナをしていた時と似たような気分だ。あの時も確か、お互いの息遣いや存在は感じていたけれど、顔は見えない状態だった。
だからVRChatに入って仲のいい友だちといるとあっという間に時間が過ぎてしまう。今日も気がついたら三時間くらい経っていた。寝なきゃなあという気持ちと、日記でも書くかあの気持ちで心が二つある。そういえば今日遊んだ、誕生日ワールドを作ってくれた友だちは時々わたしの小説を読んでくれているらしい。「『みかんゲーム』(わたしの代表作だ)を完結してから読もうと思って待ってたら思ってるより超大作になってびっくりした」といわれた。自分の作品を読んでいることを直接聞くとすごく嬉しいよね。ありがとうございます。みかんゲームはいいぞ。ってちょっと待って? じゃあ今日の日記も読まれる可能性があるってこと? 大丈夫かな、変なこと書いてないかな。そういえば今日その友だちに「会社ではサイコパスじゃないんですか? サイコバニー」って言われた。会社でサイコバニーやってるわけないだろ! VRChatフレンズにも”サイコバニー”というあだ名が浸透しつつある。おしまいだ。じゃあね。
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