9月13日
――――おしまいだ。食べすぎた。自覚できるくらい体に肉がついたので本当にまずい。これでも高校生の時は高校球児で、俊足の一番センターをやらせてもらってたんだけれども、もはや見る影もない。そもそも大学の立地が悪かった。うちの大学付近には「にんにくをぶち込んで米と一緒に食べるラーメン濃いめ硬め多めェ!!!」っていうエグい食べ物が蔓延っていたので必然体がラーメンで出来上がる。I am the borne of my Ramen.そこから社会人になって特に運動もしていないのでいよいよだ。
仕方ない、あれをやるしかない。ダからはじまってトで終わるあれを…………。
ダウト、絶対やんねぇ。
というわけで学生時代の友だち数人と晩ごはんに行ってきた。食べすぎるのも仕方ない。
こういうときって「今何してるの?」みたいな現状報告会で終わりがちだと思うんだけど、今日は結構これから◯◯しようみたいな話が多くて楽しかった。
昔話をしよう。今日一緒に飯を食った人間との話だ。
突然だけど、わたしは自分のことをそれなりに(お笑い的な意味で)面白いと思っている。年齢とともにお笑いセンスはズレていくので日々気をつけているが、少なくとも27歳のわたしはまあまあオモシロイと思っている。そんなわたしの最大の特徴(武器)は『その場の空気に合わせて流動的にボケとツッコミを行き来できる』ことである。リバ。その場に足りないパーツになれる。
それではどうしてそんな武器を獲得したのか。はじまりは劣等感だった。
高校のクラスメイトに、こいつにだけは絶対ツッコミ力で敵わない、という人間がいて、わたしは高校ではボケに回っていた。
でもそいつがあんまりにも格好良くて、大学ではツッコミもやってみたいな、と思いツッコミの勉強をした。
勉強をして、勉強をして、勉強をして。
大学にはまた別の、絶対ツッコミ力で敵わない人間に出会った。
そいつと今日飯に行った。
二人目の絶対に敵わない人間に出会ったわたしは、まず分析することにした。絶対になにか共通点があると思った。こいつらにあって、わたしにないものはなんだ?
その分析の結果、最高のツッコミニストは、膨大な知識量とそれを瞬間的に引き出す瞬発力、最後にそれをパワーワードで簡潔にまとめる言語センスを備えているということがわかった。
この時初めて、ツッコミは知識なんだと気が付いた。あらゆるボケに対応するためには、時事ネタから専門知識まで多くのことに精通していないといけない。
そしてそれに気づいたわたしは思ったんだ。
言語センスを身につけるのは大変そうだ。でも、知識と瞬間力は練習次第でどうとでもなるんじゃないか? と。その気づきがわたしをひとつ上の段階へ進ませる。
ある日わたしはその天才ツッコミともう一人(ボケ寄り)を誘って三人でドライブに行った。
それが、後に定期的に開催されることとなる、デス・ドライブのはじまりだった。
――――デス・ドライブ。
わたしたち三人は発進する前にルールを設定した。ルールはたった一つ。たった一つのシンプルなもの。
ドライバーがツッコミ。
助手席/後部シートに座ったわたしたちはめちゃくちゃボケた。ひたすらボケた。最近あった話で、流れている曲で、道端の看板で!
ドライバーはその全てにツッコむために、友だちの話を聞きながら音楽に気を配り、過ぎゆく景色に注意し続け、瞬間的に言葉を発さなければならない。運転しながら。
※記憶の回想・日記としてのエンタメ化につき一部誇張表現があります。安全第一だったことを約束します。
こうして死の淵で鍛えられたわたしたちは、視野の広さと思考、言語化の瞬発力を獲得したのであった。
そこで思ったんよね。
お笑い――――というか、人との会話って、パズルなんだなって。
会話のキャッチボールを重ねることで場にいる人間が協力して『楽しい時間』っていう一枚の絵を作る。ボケが作った会話の穴をツッコミが埋める。こうして一枚の絵が完成する。
だったらわたしは、そのどっちもをやりたい。
ツッコミではあいつらに敵わない。
ボケでももっと面白い人達がいる。
それでも、そいつらが取りこぼす部分をわたしが埋めていきたい。一枚の絵を完成させるために必要不可欠な、その隙間のパーツになりたいって。
あの日そう思わせてくれたやつとご飯を食べてきたわけです。
話の中で、「時々Xのおすすめでお前のツイートが流れてくる。なに? Vtuberかなんかやってる?」と言われたことはまあ置いとこう。
楽しかった。楽しかったから、別におしまいなことがなくてこの日記が締まらない……。でもわたしはできるだけ「おしまいなことがない、おしまいだ」をやりたくない。それは逃げだろ。
とかここまで書いたことで思い出した! わたし今日コワすぎ! の劇場版序を見たんです。めちゃくちゃよかった。そもそも概念バトルが好きなので髪の長い女の下りから好きだったし呪具を受け渡されるくだりほんま……とか無限に書きたいんだけど前半にくだらない話をしたせいで字数がかさんでる。劇場版と同じタイミングで感想書きます。こんなことを忘れるだなんて。おしまいだ。じゃあね。
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