第34話 寄せ書き。

俺は満足して「とりあえず今日のところはこれで」と言ってスマホをしまう。


「今日のところ!?」

「多分、次を要求する。その時はよろしく頼む」


俺の熱意に負けた柚子香が、「うぅ…。恥ずかしいのよ?」と言った時、俺にエロの神が降臨した。


「柚子香」

「え?」


俺は「早速頼みができた」と言って、柚子香にとんでもないお願いをした。

柚子香は「えぇ!?そんなのまで欲しいの!?」と聞いてきたが、俺は土下座もいとわない勢いで、「この通りだ」と頼み、寝間着を着直した柚子香を布団の中に連れ込むと、「さあ!頼む!」と言って、柚子香に「うぅ…、恥ずかしいのよ」と言って貰う。


俺は再生して聞き惚れると「サイコーだ」と言い、柚子香の肩を掴んで、「次だ。俺の名を愛を込めて呼んでくれ」と言った。


柚子香は驚いた顔で、「え!?まだあるの!?」と聞いてくるので、俺は「勿論だ」と言って俺の名を呼ばせたり、「好き」、「お兄ちゃん」、「柚子香は雄大が大好き」と言わせてみた。


恥ずかしさのせいで、真っ赤な顔で息も絶え絶えな柚子香に本気で感謝をしながら、何遍も聞いて俺は満たされていき、満たされた俺は柚子香をコレでもかと抱きしめて眠る。

翌日も夜まで居て帰ると、柚子香から[恥ずかしいけど、喜んでくれたから、また写真付き合うわ]とメッセージが入ってきた。


そして[恥ずかしいけど使ったら教えて]と言われる。俺は帰宅して部屋に直行して爆発寸前な俺を鎮めた。

なので[既に]と送ると柚子香は[えぇ!?]と返信をくれる。


[どうもありがとうございました (*‘ω‘ *) ]

[か…顔文字を使うくらい嬉しかったの?]


俺が[もう柚子香じゃなきゃダメだ]と送ると、既読から少し時間がかかって、[………変態とメッセージを送り合ってるみたいに思えてきたわ]と入ってきた。

冷静になった俺が[…すまない。浮かれてた]と返すと、柚子香は[いいわよ。でも今度私も写真を頼むわ]と送ってくる。


[どんなのがいい?今の俺なら何でもいいぞ]

[本当!?]


[ああ本当だ]と返した俺は、気が大きくなっていた事を心底後悔することになる。

柚子香の奴は変な憧れがあるのか、俺を全裸にしてポージングをしては写真を撮りやがった。


俺も仕返しで制服姿や普段着も撮らせてもらった。

やり切った俺達は「この写真はお互いの宝物でフォトブックにもしない。他人にも見せない」と誓い合った。



そしてフォトブックだが、柚子香は真面目なバカなのでご丁寧に同じものを2冊用意をしていた。

俺は「最後は2人で暮らすんだから、1冊ずつでいいんだよ」と言った後で見返すと、初めの頃の仕方なく付き合っている俺の顔が憎らしくなる。

そして最後に寄書きが出来る箇所があったので、俺はペンを取り出して[柚子香へ、ずっと一緒にいてくれ。俺はお前がいてくれれば本気になれる。本気になればお前を内春の外に連れ出してやれる。穏やかな笑顔で暮らせるようになる。自活するから待っててくれ]と書いて渡して、「柚子香も俺に書いてくれよ」と言うと、柚子香は涙を浮かべながら[雄大。私を1人にしないでね。もう1人は嫌、険しい顔も嫌。ずっと一緒にいて。大好きよ]と書いてくれた。


「2冊目からは2人で寄書きしようぜ。きっと次にはまた気持ちが変わってるからさ」

「素敵だけど変わるの?」


「変わるさ、俺は柚子香がもっと大切になっている」

「それなら、私だって雄大の事をもっと好きになってるわ!」


もう愛おしさがお互いに込み上げてきて、何も言わずに抱きしめて長いキスを交わす。

そして息継ぎの時に、「自活きつ」と漏らすと、「私もよ」と返ってくる。

それだけで微笑みあってもう一度2人で海の中に潜るようにキスを再開する。


大学行くのやめて柚子香を早く迎えたいとか一瞬考えたが、誉が怒るだろうなー。

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