第33話 解消法。

抱きしめ合って写真を撮ると、柚子香は赤い顔で「雄大」と名を呼んでくる。


「どうした?」

「あの…。当たってる」


「もう諦めてくれ。おかしいんだ」

「おかしい?」


俺は仕方なく「チョコも」の部分に触れて、セクシーなDVDでは満足できなくなってしまった事を説明する。


「え…。晴子から聞いたけど、男の人はしないと辛いのよね?」

またマイナスとマイナスのコラボレーションに俺は頭を抱えたが、間違っていないので「だから千葉で風呂に入ってからは、あの映像に何の魅力も感じなくなった」とキチンと話す。


柚子香は心配そうに「じゃあどうしてるの?」と聞いてくるので、俺は「それもまた問題であの日の柚子香を思い出すと、あっという間に…」と言うのだが、恥ずかしさで最後まで言えない俺を見て、同じく赤くなった柚子香は「それは大変ね。任せなさい」と言った。


任せなさい?

俺は男で、妄想大爆発の高校二年生。

期待しないほうがおかしい訳で、まさかDVDで見たような展開になるのか?と思ったし、柚子香も俺とDVDを観た時に「え?そんな事するの?」「雄大も?」と言っていた。


確かに本番をしなければアリなんじゃないかと自分に言い訳をかましていると、柚子香はモゾモゾと何かをし始めた。


「柚子香?何してんの?」

「晴子に聞いてるの!待っててね雄大!」


俺は慌てて「おい待て!何を聞いた!?画面見せて!」と言ってスマホの画面を見ると、[雄大が私じゃないと、1人でそういうことが出来ないって…。大好きな「やっぱりお兄ちゃんがスキ」でも出来なくなったって言ってるの。どうしたらいいかしら?]と書かれていて、しっかりと既読がついている。

その前のタイムラインも、[お風呂に2人で入ったわ]だの、[雄大は自活だって我慢してくれたの]だの、[一心不乱に私に触っていたの]と書かれていて、渋谷晴子の前にはとても出られたものではなかくなっていた。


愕然としている中、画面が急にスクロールして[わかりました!]と返信が来た。


俺は何がわかったのかドキドキしながら画面を見ると、[本当でしたら柚子香さんが触れてあげたりするのがいいのでしょうが、彼氏さんの自活の邪魔になってはいけません]とか書れている。


違うんだ。そこは[触ってあげましょう。DVDでしていたようにしてあげてください]にしてくれ渋谷晴子。


柚子香は「そうよね。1人でするところなんて見られたくないわよね」と納得をしている。

いや、なら見せ合い…って何を考えた俺?


そして柚子香との見せ合いを考えれば、直結してギンギンのガチガチになって、柚子香は「やだ。限界近いの?平気?」とか聞いてきて、返事に困っていると、スマホの画面には[なのでこの晴子が考えました!]と入ってくる。


お、続きが届いた。


[柚子香さん。恥ずかしいでしょうが、彼氏さんの望む悩殺ポーズを取ってあげてください。彼氏さんにはその写真を使ってもらいましょう!]


…使うとか言うなよ。


でもいい。それは最高だ。

俺は脳と口が直結していて「そ れ だ」と言っていた。


「雄大!?」

「渋谷晴子は天才だ。そうしよう。それしかない。柚子香。頼む!」


俺はスマホを取り出して、渋谷晴子に[名案だ。天才だ。ありがとう]と送ると、渋谷晴子は[いえいえ。お幸せに!自活応援してます!]と俺に返し、柚子香には[さあ!愛があれば出来ます!]と送ってきた。


柚子香は真っ赤になって恥ずかしがったが、「雄大が私を求めてくれてるのよね」と言うと、「言って」と言われた。


俺は自分がこんなケダモノだとは思っていなかった。

まずは半裸になってもらい、腕で胸を隠すようにして俺を見てくる柚子香をいろんな角度から収めて、次は下着姿で様々なポーズを頼む。

股間はギンギンガチガチで、釘でも打てそうな状態だったが、気にせずに柚子香に様々なポーズを頼む。

だがサイコーに俺がハマったのは、半裸で胸を隠してもらったのに、顔のドアップを撮った数枚だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る