過ぎてしまった時間に
神﨑公威
過ぎてしまった時間に
熱帯夜の馬鹿な暑さに寝返りひとつ
水を飲む、ひとりさみしくなる
いつも通り
過ぎてしまった、輝きに、若さに
二度とあえないかもしれないとそう思う
そんな夜はどうだっていい
太陽の下のほうがよほど問題だ
白昼の大通りではどうだろうか
さわがしく、ごったがえす
きっとひとり、さみしくなる
むせかえる、まぶしさ
やるせない、孤独感
ほんの少し早く歩いて
だけれど優しい言葉はどこにも聞こえない
風を探し問いかける、汗を拭う
スニーカーでわざと砂利を擦って
人のいないところへ
小道に入って、
人のいないところへ
遠くへ、遠くへ
そんなとき、
すれ違う二人組の愛の囁きが聞こえる
昔好きだったものを思うきもちが、ふと甦える
過ぎてしまった、輝きに、若さに
二度とあえないかもしれないとそう思う
過ぎてしまった時間に 神﨑公威 @Sandaruku
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