第15話取替え子①
「ハイジ パーンチ」
子供が襲われていたので取り合えず殴ってモンスターを仕留めた
「大丈夫?」倒れている女の子を起こし 優しく微笑む
[危ない所をありがとうございます 私はクラリスと言います]
「そう あたしはハイジよ よろしくね どうしてこんなとこにいたの?」
「精霊王からのお告げでここに居て 仲間を待ちなさい」と言われたの
「えっ もしかして クラリスも取替え子なの? あたしも今日ここに来る
ように言われたの」
取替え子とは 妖精が人や他種族との子供を取り換えた子供達の事である
「取り合えず 街に行って攫われた妖精達を救いにいきましょう」
二人は街に向かって歩き出した
「ハイジはお父さんとお母さんには自分が取替え子なのは言ったの?」
「うん あたしは特別でお母さんのお腹の本当の子はお腹の中で死んでしまったらしいの
その魂が抜けた瞬間に偶然あたしが宿ったの だから 誰が何と言おうと私達の子供だって言ってくれたわ」
「そうなんだ 優しいご両親ね」伏目がちにクラリスは呟いた
「それより クラリスも妖精の奪還を妖精王から言われたの?」
「うん ここで待ってれば仲間が来るから一緒に妖精達を開放して欲しいって」
上空から人の子供くらいある蜂が降りてきた ハイジの背中に留まると何か
二人で話しているようだ
「クラリス この子はビーちゃん あたしの舎弟だよ 襲ったりしないから安心して
ビーちゃんが言うにはこの先で妖精を捕まえてる奴らを見つけたんだって 急ぐわよ」
5分も走った所で厳つい男達が逃げ惑う妖精達を網で捕えていた
「ハイジ キーック」
厳つい男に後ろから蹴りを入れ倒す
「なんだ? このガキャ!!」
残りの男達に囲まれ刃物を向けられる
「テンちゃん 助けて!!」
ハイジが叫ぶと 巨大なテントウ虫が飛んできて男達を体当たりで吹き飛ばす
「クモちゃん 縛り上げてちょうだい」
木の上から これまた巨大な蜘蛛が降りて来て男達を纏めて縛りあげた
籠に入れられていた妖精達を開放し
「もう見つかるんじゃないわよ」と言って別れた
「あの男達はどうするの?」歩きながらクラリスが聞いてきた
「自分達も襲われるのがどんなもんか体験してみるといいのよ この辺りはモンスターも多いしね」
「ところで さっきのテントウ虫と蜘蛛は何?」
「前に蜘蛛の巣に引っかかっていた蜂とテントウ虫を助けたの それとせっかくの
食料をあたしが逃がしたから 悪いなと思って蜘蛛には持っていた乾燥させた猪の肉をあげたの それ以来 三匹に懐かれてるの あたし虫と話せるみたいなのよ」
「そうなんだ!!凄いね!」
街に着いた 先にビーちゃんが探ってくれていたおかげで 何軒かの家に妖精がいるのは
確認している
「たのもー」ドアを蹴破りハイジと後ろに三匹の巨大な昆虫 そして気弱をうな少女たちが雪崩れ込んできた
「誰だ? 門番は何してる?」室内にいた護衛達がざわめく
「門番なら ハイジパンチで眠ってもらったわよ」
ハイジ達は護衛を無視してズンズン二階への階段を上っていく
「ここね」ハイジはまたもやドアを蹴破る 部屋の中には太っただらしない顔が籠の中にいる妖精を見ていた
(気持ち悪い)思いながら太った男の尻を蹴り上げる
「大丈夫?もう心配しなくてもいいからね」籠を開け妖精を開放する
妖精は嬉しそうにハイジの周りをグルグル回ると壁をすり抜けて外へ出て行った
「で 妖精達を売りさばいている黒幕は誰なの?」
太った男の顔を踏みながらハイジが聞く
「て テルミン伯爵だ」蹴られた尻の痛みと踏まれた顔の痛みに耐えかねて白状する
その後もビーちゃんが見つけていた家々を強襲し妖精達を開放してまわった
「明日は黒幕の所に殴り込みに行くから 今日はもう休みましょ」
街外れの空き家に入り込み二人と三匹は眠りについた
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