第36話 妹 × 水着 = 神 × 9 =を求めよ
青い海。晴れた空。照りつける太陽!!
俺は合宿に、
来たぁぁぁぁああああああああああ!!!
と言いたいところだが、目の前に広がるのは海じゃなくて湖だし、なんなら少し曇り気味である。というかあれは太陽なのだろうか? まぁ近くで光っている星だ。元気出せよもっと。
「ここで合宿をするのですね! 兄上」
「へぇ、結構素敵なところじゃない!」
王都から馬車で五時間程移動した場所にある綺麗な湖。名前はなんといったか。ルクトラ……ルトカラ……そんな感じの名前の湖だったはずだ。珍しく砂浜があるタイプの大きい湖で、なんちゃって水平線も見える。
「お屋敷も素敵ですわね」
「ルクバト湖にこのようなお屋敷があるなんて知りませんでしたわ」
ロッカとチセは湖に隣接されているコテージのような建物が気に入ったみたいだ。
「響協会でたまに使っているらしいよ。常に清潔になってるはずだから好きに使っていいって」
「流石は楽聖……これが権力ってやつか!」
こらウド。聞こえが悪いじゃないか。いいところない?と尋ねたらここを紹介されたから、ちょっと貸せよって言ったら快く貸してくれたんだけだよ。脅してなんていない。はず。
「それで、こんなところに連れてきてなにするの?」
何をするかって? サンキ。もちろん水着に着替えて……じゃなくて、砂浜でビーチバ……じゃなくて、砂のお城を作……じゃなくて、水のかけ……じゃなくて、夕日を背にする妹の後ろ姿……じゃなくて、夜になったらバーベ……じゃなくて、そのあとは俺特製花……じゃなくて、そう特訓だ。特訓をしに来たのだ。
決して、決して遊びに来たわけじゃない。もちろん浮かれて遊び道具を持ってきたり……いや持ってはいるが、そういうのじゃない。たまたま入ってたんだよ亜空間に。
「もちろん! 訓練です! そうですね兄上!」
「も、もっちろんそうに決まっている! あはは! あはははは!!」
「怪しいわね……」
「そ、それよりもみんな荷物を置きに行こうか! 長い時間馬車に乗っていたから疲れたよね」
随分と浮かれているとも思うが、存在を消してしまう何かについては俺が今足掻いたところでどうこうなる問題じゃない。響協会に頼んだ調査にも時間がかかるだろうしな。
それに……俺もお預けをくらいすぎたようだ。
もっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたいもっと妹達と一緒にいたい
脳内で言葉が意思をもって駆けずり回っている。もう限界が近いのだ。そろそろ妹パワーを注入しないと……俺の存在が消える。
もちろん訓練もしっかりする。本来の目的を見失ったりはしていない。ならば、いっそのことその二つを一緒にしてしまえばいいという天才的な思考が閃いただけ。
——訓練もスキンシップも……一度にやれば二度、いや五万度美味しいんじゃね?
そうして俺たちは合宿をするためにこの湖へやってきたというわけだ。
みんなで分担して、持ってきた荷物をコテージに運ぶ。全部亜空間で持って行こうかとも言ったが、それは何故か拒否られてしまった。まぁ年頃の妹達には見られたくない物の一つや二つは持っているか。
「今日は移動で疲れただろうし、本格的な訓練は明日からにしようと思うんだけど、どうする?」
「そうですね……せっかくなのでこの近辺見て周りたいと思っていました」
「私もちょっと興味あるのよね。湖とか初めて見たから!」
そういって目を輝かせるのはイクスとジーコだ。
「あたしはあのサラサラなお砂の上でおやすみ〜!」
「リフレッシュには丁度良さそうですわね」
「穏やかで落ち着けそうですわ」
ハーピとロッカとチセもゆっくりすると……
「せっかくだしみんなで遊ぶのも悪くないね!」
「おっ! 何して遊ぶ?」
サンキとウドは相変わらず元気だな。
「私は……本を……」
「私もこの家の設備を確認しておきたいところですね」
シロとキュウカはコテージで
ふむふむ。なるほど……さてどうしたものか。
「さっきから黙ってどうしたのよお兄様。変なこと企んでる顔してるわよ」
むっ! またもやジーコに指摘されてしまった。顔に出やすいのか……誰の表情に似てるか教えてくれてもいいんだよ?
まぁ悟られてしまっては仕方ない。ここはダメもとでひとつ頼んでみよう。紳士的に、繊細に、クールに、かつ情熱的に。
「実は、みんなにお願いが——」
————————————————
コテージの外で空を見上げ、時を待つ。
俺は……罪を犯してしまったのかもしれない。
あんなことを妹達に頼むなんて……どうかしていると思う。でも仕方がないんだ。衝動は抑えられなかった。
だが、世界もこの選択を望んでいるはずだ。俺はその意思に従ったに過ぎない。
ガチャリ。
背後から聞こえた音は、コテージの扉が——いや、解放と創造への門が開かれた音だろう。その音を聞き、俺は振り返る。
「あ、兄上……これであっていますか?」
青色のブラジリアンビキニを身に纏って顕現したイクス。鍛えられて超絶スリムなボディラインが美しすぎる。それでいて女性的な完璧なスタイル。最高です。
「なんか変だと思ったら……こんなの着せるなんてハレンチ!!」
赤色のフリルデザインのビキニを身に纏って顕現したジーコ。普段は華奢に見えるが実は着痩せしているタイプで、女性として小悪魔的魅力を兼ね備えた存在。最高です。
「私は動きやすそうでいいけどね!」
黄色のタンクトップビキニを身に纏って顕現したサンキ。イクス程筋肉質ではないが、引き締まった体から表現される元気が、見ているだけで応援されている気持ちになる。最高です。
「少し……恥ずかしいです」
藍色のワンピースタイプの水着を身に纏って顕現したシロ。全体的に小柄ではあるが、それが儚くも美しいという異次元の可愛さを演出している。最高です。
「あたし最近太ったからさ……こういうことは先に言ってくれよなぁ」
橙色の三角ビキニを身に纏って顕現したウド。本人が仰るとおりお腹周りに少しお肉がついているがそれが至高。それこそが正義。最高です。
「たまにはこういうのも悪くないですわね」
黄緑のリボンデザインのビキニを身に纏って顕現したロッカ。バランスという点において右に出る者はいないほど洗礼された肉体美。理想の体型の答えの一つだろう。最高です。
「そうですわね。暖かい気候で安心しましたわ」
黄緑のリボンデザインのビキニを身に纏って顕現したチセ。先ほどロッカの右に出る者はいないと言ったことを詫びよう。いた。世界最高峰の二人目がここに。最高です。
「ちょっと窮屈かな〜?」
桃色のハイウエストビキニを身に纏って顕現したハーピ。もうね。あかんです。ドッキューン!です。はい。最高です。
「もう兄さんったら……」
紫のホルタービキニを身に纏って顕現したキュウカ。妖艶と書いてキュウカ、キュウカと書いてキュウカと読む。それほど魅惑的で……最高です。
神よ。あぁ。神よ。私の罪を許して下さいますか。いえ、神は目の前にいました。お許し下さい神よ。私の邪な
デェェェェェェェェリシャス!!!!!!!
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