第17話 FIELD OF GREEN 田舎の花嫁 前編
※今回、女性主人公です。
長いので前後編に分けました。
私は
二十代
そんな私ですが大学生の頃から
付き合っていた先輩の
大山
広さんの
周りの友達や親戚は
「新婚なのに旦那家族と同居なんて
辞めときな!」とか
「
言ってましたが広さんの
とても優しく、同居ではなく広さんの
家を
「新婚なのに同居なんて嫌だろう?
とお
家の中も私の体に合わせた設計で
作ってくれてとても快適です。
周りの人達は田舎や農家に対して
あまり
実際はかなり違いました。
「農家なんて貧乏で朝から晩まで
働かされるよ!」
と言う人もいましたが広さんの
かなり裕福でこの辺りの
だそうです。
農業に関しても今は法人化して会社として
経営しているそうです。
「イメージと全然違うよ。
農業はブラックのイメージだったけど
都会の会社よりずっと働きやすいよ。」
と語っていたのはお義父さんの会社で
事務として働くシングルマザーの
旦那さんが亡くなられてから旦那さんの
故郷であるこの【
移住してきたそうです。
「旦那とはいつか田舎に移住したいって
話しててさ•••
私は
田舎に憧れもあってね•••
もしも現実は厳しくて
生活が合わなかったら
街に戻ろうと思ってたけど
ここの人達は皆、優しくて
本当に良かったよ。」
「そうですよね。
私もビックリしました
勝手なイメージで【家に鍵かけない】
とか【プライバシーがない】とか
思ってました。」
一緒にお茶をしていたお
「まぁ昔はね、そういうのもあったわよ。
今でもある所はあるのかもしれないけど
何かと
田舎の民家が
ニュースとかあるから、この辺りは
ちょっと前から【鍵を閉めましょう】
ってなったわね。」
「突然、家に入ってくるとかも
無いですよね?
必ず連絡くれますし。」
「まぁマナーというか•••
エチケットというか•••
私達の
自分がされて【嫌な事】【困る事】は
人にはしないってね。
受け入れてもらえたわ。」
夕子さんも
「確かに皆さん考え方が
むしろ私達が
ねぇ弥生ちゃん?」
「本当にそうですね•••
周りからは【嫁いびり】とか
【よそ者差別】とか
最初はかなり警戒してました•••
お義母さんごめんなさい•••」
「まぁ昔の田舎はそうだったのかもね。
ただこの辺りには昔から
【
言い伝えがあるからね。
嫁を大切にしないと
私もお義母さんには良くして
もらったよ。」
「良い伝統ですね。」
「考えてみれば当然だけどね。
嫁いびりしてた人達は
家を出て行かれたり
年を取ってから立場が逆転したり
まぁ良い事はないよ。
それと【よそ者差別】にしても
こっちとしては人が
田舎に来てくれるだけでありがたいよ。
ましてや子供達も一緒になんて
願ってもない事さ。」
「旦那の両親も近所の人達も本当に
優しくて助かってます。
私も子供達も旦那がいなくなって
落ち込んでいたんですが•••
思い切ってここに移住してきて
良かったですよ。
•••ただ周りの人達は子供達を
チヤホヤし過ぎて子供達は
少し
「
「あっ、お義父さんお帰りなさい。」
「ただいま。
ごめんよ、話が聞こえてきて
女子会に割り込んじゃった。」
「こんな
ただのお茶休憩だよ(笑)」
「そういうのは
意見交換や苦情も聞いとかないと。
二人共何か困ってる事とかはないかい?」
「困ってる事ですかぁ?
うーん•••
お
困った事は•••
夕子さんは何かありますか?」
「私も特に•••
あっ、そういえば•••
最近下着が無くなる事が•••
動物が持っていったのかなって•••
その•••今は旦那がいないから
派手な下着は干してないですけど•••」
「下着は私も無くなる事がたまに•••
私のうっかりかと思ってました•••」
私達の話を聞いてお義父さんお義母さんの
【
いつもと違う冷たいような
「その話、
それから
お
「
と伝えられました。
「えっ!
やっぱり泥棒だったんですか?」
「うん。
ここから離れた
他にも色々とやらかしてたみたいでさ
家族まとめてもう二度と
この辺りには居られない
ようになったよ。」
「か、家族も一緒にですか?」
「そこだけ聞いたら可哀想と
思うけど家族も
まぁ何というか鼻つまみ者でね•••
田舎には•••田舎に限らんかな?
そういう嫌われ者家族ってのが
どこにでもいるんだよ。」
「でも【
いませんよね?」
「親父や親父の仲間がこの辺りの
そういうヤツは
だからこの辺りにはそういうヤツは
いなかったんだけど•••
ごめんね•••
嫌な思いさせて•••」
「広さんが謝る事ないですよ!
悪いのはその下着泥棒した人ですから。
ただお義父さんもお義母さんも
近所の方達も私や夕子さんの事を
凄く気にしてくれてるんですよね•••」
「そのせいでここから出て行くとか
言われたらどうしようって
心配なんだよ。」
「そんな事、無いですよ!
街でも変な人は沢山いますから
私も夕子さんもここから離れる
つもりはありません!」
「良かった•••
嫌がったらどうしようって皆と
話してたんだよ•••」
「私も夕子さんも、もうここの人間ですよ。
ここが地元で皆が家族です。」
「そう言ってくれて良かった•••」
「家族についてはもう一人増える
予定ですけど。」
「えっ!
それって!」
「ウフフ♡」
「そ、そうか•••
俺の子供か•••
そうか•••」
「広さんとしか、した事ないから
広さんの子供ですよ•••
浮気を疑ってました?」
「いや違う!
そうじゃないんだ!
突然だったのと••••••
こういう時、男はダメだなぁ•••
親になるって実感がまだ•••
そうか•••
俺は親になるのか•••
そうか•••」
「これから実感していって下さいね♡」
「あ、ああ•••
そうだ、まずはありがとう。
これからもよろしく•••
本当にありがとう。
親父達にも報告して良いかな?」
「
今から行きましょう!」
妊娠報告の後は義両親も義祖父母も
大喜びしてくれて
「近所にも知らせて良いかな?」
と聞かれたので
「勿論良いですよ。
皆さんにはお世話になってますし。」
と答えたら、あっという間に話は
広がりお祝いのバーベキューが
始まりました。
「許可してくれてありがとう。
勝手に噂が広まるのは嫌だと
思ってたんだけど•••
知ってた人も
産婦人科に行くのを見たって。
あと【つわり】じゃないかなって
聞けなかったって。」
「それを今まで黙っててくれたんですよね?
やっぱりここの人達は
【田舎はプライバシーがない】っていう
イメージと違いますよね。」
「【自分がされて嫌な事は人にはしない】
当たり前の事だけどね。
そもそも田舎で噂がすぐ広まるのは
娯楽が無かったからだよ。
今は娯楽がいくらでもあるからね。
ただご近所付き合いの上で
妊娠してるのは伝えておきたくてさ•••
弥生ちゃんが嫌がったら
黙っておこうと思ってたから
改めてありがとう。」
「根掘り葉掘り聞いて来る人には
言いたくなかったですけどね。
皆さん【おめでとう】とかの
祝福の言葉だけで助かりました。」
「まぁデリケートな事をグイグイ
聞いてくるのは田舎に限らず
嫌われるからね。
でもお祝いはしたいから
バーベキューが始まったんだけど
お肉は食べられるかい?」
「はい!
もう【つわり】もおさまりました!
でもバーベキューがすぐに始まるのは
イメージ通りですね!
このドラム缶を半分にしたコンロも!」
「田舎といえばバーベキューだし
バーベキューといったらコレだよ。
差し入れの
モリモリ食べてよ!」
「はい!
ここに来るまで猪肉食べたこと
無かったんですけど
美味しいですよね!
猪肉って
イメージでしたけど
実際は柔らかくて味も濃厚で
私は豚肉より好きです!」
「山の
たっぷり食べてるからね
食べてるんじゃないかな?」
「田舎と同じで偏見を持ってました。
ごめんなさい•••」
「いやぁ今でもイメージ通りの
閉鎖的な田舎もあるだろうし
血抜きなんかの下処理をちゃんと
やらないと
それに
そんな話をしていると夕子さんが
子供達と一緒にお祝いに来てくれました。
「弥生ちゃんおめでとう。」
「「おめでとうございます!!」」
「あー!」
夕子さんと三人の子供達
長女の
そして先日一歳になったばかりの
長男•
「夕子さんありがとうございます。
皆もありがとう。
生まれたら仲良くしてね。」
「「はい!!」」
「あう!」
そこに広さんが来ました
「皆、良く来てくれたね!
大好きな鹿肉のウィンナーがあるから
沢山食べてね!」
「「ありがとうございます!!」」
子供達が走っていきます。
「弥生も食べられるかい?」
「はい!
今は食べても食べても
お腹が空きます!」
「よし行こう!
夕子さんも行きましょう!」
「•••はい。」
空君を抱っこしたまま夕子さんは
悲しいような切ないような顔を
していました。
お腹も大きくなってきた頃
夕子さんのお
夕子さん家族は旦那さんの御実家の隣の
空き家をリフォームして住んでいます。
家庭菜園も頑張っていて近所の
教えて貰いながら畑仕事を頑張っています。
私が来た時は午後の畑仕事が
「いらっしゃい。
もうお腹も
「はい、元気に育ってます。
•••また
「まぁいつもの事よ。」
畑の近くで男性二人が揉めています。
夕子さん家族の近所に住む
ダンおじさんとジョウおじさんです。
「だからHB-1○1は効かねぇって!」
「効くよ!
滅茶苦茶効くよ!
活力が全然違うよ!」
「俺が使った時は
変わらんかったぞ!」
「ちゃんと
馬鹿だから数字が分からんのだろ?」
「
「もー!
喧嘩したらダメ!」
「ダメ!」
「ご、ごめんね•••
このヒゲオヤジが生意気で•••」
「人のせいにすんじゃねぇ!
ごめんよ•••
柚子ちゃん美柑ちゃん•••」
言い争っていた二人が
大人しくなりました。
畑仕事と言っても
肥料の種類•散布方法
独自のやり方があり、その中でも特にこの
眼鏡をかけてHB-1○1の帽子を被った
【ダンおじさん】と
ワイルドなヒゲがトレードマークの
【ジョウおじさん】が
よく
その
【ジョウおじさんゾーン】があります。
畑仕事が終わりおじさん達は帰り
夕子さん達はシャワーを浴びてから
そのまま子供達は三人共お昼寝です。
「ごめんね、お待たせして。」
「いいえ、お疲れ様でした。」
お茶を飲みます。
「夕子さんに聞きたい事が
あるんですけど。」
「なぁに?」
「妊娠祝いのバーベキューの時
夕子さんが悲しいような切ないような
顔をしていたのが気になって•••
言いたくないなら無理にとは•••」
「あぁ•••
ゴメンね、おめでたい席で•••
あの時の広さんを見ていたら
うちの旦那の事を思い出してね•••」
「
私は会った事ないんですけど•••」
「そうそう。
子供が出来る
私と子供達のために頑張って仕事に
走り回ってて•••
その中で半年に一回は、がん検診も
受けてたのに•••体調が悪くて
病院にいったらもう末期だってさ•••
その時はもう
ショックを受ける私を病気のあの人が
励ますんだよ•••
ちょっとゴメンね•••」
夕子さんはティッシュを取りに行きました。
戻ってきて涙をふきながら続けます。
「空が生まれるまであの
頑張ったんだよ•••
顔を見ないで死ねないって•••
余命宣告よりも長く生きたんだよ•••
そして【
自分が空に行っちゃったよ•••
ゴメン、ゴメンね•••」
夕子さんは顔を
「夕子さん•••」
「三人目が出来た時には
引っ越す計画だったから旦那実家の
隣の空き家を買い取ってリフォームの
ローンを組んでたけど、それも免除で
何かあった時のための生命保険も
入ってるから生活は心配するなーって
明るく言うんだよ•••
そんな事より死なないでよ!って
思うのに泣いて言葉が出なかったよ•••
ゴメンね、こんな暗い話•••」
「いえ!
こちらこそごめんなさい•••
話づらいことを•••」
「ううん。
この話はお
話せてなかったから何だか
心が軽くなったよ。
聞いてくれてありがとう。」
「そんな感謝なんて!」
二人でそんな話をしていると
どこからか鼻をすする音がします。
二人で顔を見合わせ、
そこにはケーキの箱とシュークリームの箱を
持って顔をグシャグシャにした
ダンおじさんとジョウおじさんがいました。
夕子さんに
ケーキとシュークリームの箱を差し出すと
代わりにティッシュの箱を受け取ります。
涙と鼻を拭きながら二人は話し出しました。
家に帰ってすぐシャワーを浴びて街まで
おやつを買いに行って戻ってきた所で
夕子さんの話が聞こえてきて思わず
隠れてしまったそうです。
「ごめんよ•••
盗み聞きするつもりはなかったんだ•••」
「深刻な話みたいだったから
出るに出られなくて•••
ごめん•••」
「謝らなくて良いですよ。
暗い話を聞かせてしまって
こっちこそごめんなさい•••」
「「いやそんな!!」」
二人でそう言うと顔を見合わせて
「実は俺達は志郎君から手紙を
貰ってたんだ•••
【妻と子供達が移住した時は
どうぞよろしくお願いします。】
ってさ•••」
「
君達の事を
それを聞いて夕子さんはまた両手で
顔を
二人はすぐに家に帰り手紙を持って
戻ってきました。
その手紙を夕子さんは泣きながら
読んでいました。
「【本当は一人一人書きたかったけど
時間が限られているのですいません】
だって、あの人らしい•••
いつの間に手紙なんて書いてたんだろ?
でもあの人の字だ•••
•••家族の心配ばかり•••夕子に好きな人が
出来たら見守って欲しいだって•••
他に好きな人なんて出来ないよ•••
ばか••••••」
夕子さんだけでなく私もおじさん達も
泣いています。
「ありがとうございました。」
そう言って読み終わった手紙を夕子さんが
返そうとすると
「それは夕子さんが持っていなさい。」
「そうだ、それが良い。」
「えっ、でもこの手紙は•••」
「良いんだ。
志郎君が君達を想っていた
「子供達が大きくなったら
見せてあげなさい。」
「ありがとうございます•••
大切にします•••
それにしても皆さんが私達家族を
気にかけて
この手紙も関係してるんですね?」
「それは大きいよ。
田舎の人はデリカシーが無いとか
思われたくないから最初は恐る恐る
やってたけど夕子さんも子供達も
嫌がってなさそうだから最近は
しょっちゅう来てるけど•••
嫌な時は遠慮しないで言ってね。」
「ありがとうございます。
その時はちゃんと言いますので(笑)
私はあの人の
あの人が残してくれた子供達と
生きていきます。
これからもよろしくお願いします。」
「うん!」
「おう!」
返事をして慌てて二人は子供達を見ます。
畑仕事で疲れてぐっすりと
眠っているようです。
ホッとして二人は話します。
「でも良かった•••
夕子さんとの
取り持ってくれって頼みが多くて•••
まだ旦那さんが亡くなって
日が浅いからって断ってたけど•••」
「俺もだ•••
でも夕子さんに再婚の意志が無いなら
ハッキリ断れるよ。」
「夕子さん美人ですから•••
近くにいる私やお
頼む人は多くて•••」
「皆さんに
「夕子さんが謝る事じゃないさ。」
「正直、頼む気持ちは分かる。
うちも息子が独身だったら
どうしてたか•••」
「皆さん悪意は無いですから•••」
「それは分かってるよ弥生ちゃん。
お見合いを頼むならまだ常識的な
人達だから。
最近は【
困ってるけど•••」
「そんな人がいるんですか?」
そう言った時、空気が変わったのが
分かりました。
そちらを見るとおじさん達はお義父さん
お義母さんと同じあの
していました。
「「その話、詳しく聞かせてくれる?」」
後日、広さんから教えて貰ったのは
全国に支社を持つ○○建設の
この地域の支社長がボロボロにされて
失職したという話でした。
「前に話したうちの親父の仲間ってのが
あの二人でさ、親父達も一緒になって
大暴れだよ。
元々パワハラだのセクハラだのと
良い噂は聞かない人間だったけど
今回、おじさん達の
やってた
東京の本社も巻き込んでの大騒動だよ。
地方だから好きに出来ると思って
たんだろうね•••
色々と
街で見かけた夕子さんをモノにしようと
言い寄ってたんだけど•••」
「今回の事件ですね•••」
「実際は志郎さんの事も
【死んだ旦那の事なんか忘れて~】とか
聞くに
夕子さんよく耐えられてたよな•••」
「強い人ですよね•••
それにしてもダンおじさんも
ジョウおじさんもそんなに【
持ってる人だったんですね•••
普通の農家のおじさん達だとばかり•••」
「今は引退してるけど
ダンさんは○○銀行(地方銀行)の
ジョウさんは地元商工会のそれぞれ
お
二人共トップの人が気を
実力者で【
大嫌いだから後輩からの人望も厚くてさ
引退した今もこの地域での
影響力はかなりあると思うよ。」
「お義父さんもですけど見た目からは
そんな実力者とは分からないですよね•••」
「田舎だとトラクター乗ってる普通の
おじさんが市議会議員とかあるからね。
まぁ普段は気の良い人達だから
怒らせなければ大丈夫さ。」
「そうですね。
優しい人達ですから。」
「って言う話をしてました。」
「本当だね。
普段は申し訳ない位に優しいよね。」
ここはまた夕子さんの家の縁側です。
「何がどうなったのか○○建設の
東京本社から偉い人が謝罪に来たよ。
不愉快な思いをさせてしまって
申し訳ありませんって。」
「本社の重役の人にこの辺りの出身の
人がいたそうで話を聞いて大激怒
したそうですよ。
支社長とは言っても本社では
勘違いした馬鹿の自業自得だって
お義父さんも言ってました。
••••話を聞いたら志郎さんの事も酷く
言ってたんですよね?
夕子さんよく
「そりゃ良い気分はしないけど•••
私からしたらあんな男、虫ケラとしか
思えないしね。」
「強いですね•••
やっぱり人生経験が違うんですかね?
私は広さんと付き合った経験しか
ありませんし人生経験も浅いですから
そんな状況になったら怒るか泣くかしか
出来ないと思います•••」
「私もうちの旦那としか
付き合った事ないよ。」
「えっ!
そうなんですか?
夕子さん凄い美人だからその•••
恋愛経験豊富なんだと•••」
「まぁ今回みたいに変な男は
寄ってきてたけど全部無視してたから。
旦那と出会って結ばれて子供が生まれて
旦那が亡くなって子供達と移住して•••
男はあの人だけだけど•••
人生は色々だね(笑)」
そう言って夕子さんは笑いました。
「でもいなくなってスッキリしたのは
確かだからおじさん達には感謝だね。
特にあの二人には。」
「今度は
視線の先には立派な車の前で揉めてる
二人がいます。
「車といえばベ○ツって発想が
石頭なんだよ!
眼鏡マニュアル野郎!
時代は高級ミニバンだろ!
リクライニングシートもあるし
そもそもセダンタイプは5人しか
乗れないだろ?」
「グヌヌ•••確かに•••」
夕子さんが教えてくれたのは
おじさん達が保育園の送り迎えも
手伝ってくれる事になり張り切った
ダンおじさんがベ○ツを新車で購入して
それに対抗して今回ジョウおじさんが
高級ミニバンを買って見せにきたそうです。
ジュニアシートに乗っています。
「保育園は車で送り迎えだから
朝は大変ですよって話をしてたら
おじさん達が良かったら送り迎えを
手伝うよって言ってくれたからさ
軽い気持ちでお願いしますって
答えたら二人共
まぁ二人の奥さん達も家で使うから
大丈夫よって言ってくれたから
良かったけど•••」
「うちのお義父さんと同じで
二人共経済的に余裕がありますよね•••
ベ○ツに高級ミニバン
「しかもジュニアシートまで•••
私の車から毎回載せ換えるの
大変だろうからって•••
まぁ助かるけどね。」
そんな話をしていると子供達と
おじさん達がやって来て
「夕子さん、子供達がドライブに
行きたいって言ってるけど
皆で行かない?
空君や弥生さんも一緒に。」
「空がお昼寝中なんで私は残ってますよ。
弥生ちゃんは?」
「私もそろそろ帰りますよ。
お義母さんに母子健診に
連れて行ってもらいますから。
また今度乗せて下さいね。」
「ああ、また今度ね。
じゃあ子供達と海まで行ってくるよ。
夕飯までには帰って来るから。」
「「いってきまーす!!」」
「いってらっしゃい。
迷惑かけちゃ駄目よ。
気を付けてね。
よろしくお願いします。」
「おう!
柚子ちゃん美柑ちゃん、さぁ行こう!
お前も特別に乗せてやるよ石頭。」
「グヌヌ•••
今回は負けを認める•••」
そう言って子供達を後部座席に乗せて
ダンおじさんも助手席に乗り込みました。
「
おじさん達仲良いですよね?」
「まぁ昔からのライバルらしいから
憎み合ってる
「「「「いってきまーす!!!!」」」」
「「いってらっしゃい!!」」
四人は
後日、ダンおじさんがキャンピングカーで
登場すると子供達は飛び上がって大喜びし
今度はジョウおじさんが「グヌヌ•••」と
なっていました。
後編へ続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます