第3話 立浪涼介とその従姉妹

 厄介だ。

「佐倉くん、情報を」

 気配でわかるようになったまひろも相当厄介だ。


「恋愛相談だ。今から二人やってくるが、二人は従姉妹同士でありながらこっそり付き合っている」


「完璧」


「あの探偵部はここで良かったですか?」


 男子生徒は童顔で中学生だと言われても信じてしまう。一方女子生徒は見たことがある。女子生徒から王子様と呼ばれるくらいクールで背が高い。


 これはこっそり付き合う事が分かる。

 従姉妹同士は結婚出来る。それについての悩みだけではないだろう。


「その人目を盗んで学校でその体を触り合う場所を知りたくて、従姉妹だし家の中ではそんな素振りは見せてないので、せめて学校で」


 恥ずかしい相談をする童顔君に頬を赤らめるクール王子様。


「要は放課後にイチャイチャ出来る場所を探していると」


「今いるところがその盛んな人が増えて来て、そのセッ」


「涼ちゃん、恥ずかしい。そんなの言わないでよ」


「だって探偵さんには正直に言わないと」


「もー、怒るよ」

 涼ちゃんの胸をバシバシ叩く王子様。さて、僕たちは何を見せられているのだろうか。


「まず足りないところから補おう。ここは薄い本の方がいいだろう。偶然、私のカバンに薄い本がある。二人でこれを最後まで見てからの話だ」


 興味を持ったのかどんどん読み進めて、最後には顔が赤くなった。


「何を渡した」


「普段悪口ばかりの妹が実は血のつながりが無い他人だった件、僕の目は義理の妹に釘付け18禁バージョン」


 ますます何で持ってんだ。


「男女は最終的にはこうなります。それを理解した上で、お互いの関係性を考えては?」


「善処します」


 そう言って二人は外に向かって歩いて行った。


 王子様は指を涼ちゃんに絡めながら、去って行った。


「これで少子高齢化に歯止めをかけたな。ちゃんと避妊具は使って、責任を持てるようになったら、どんどん歯止めの抑制を外すようになって貰おう。今日はコーラの気分だ」


「コーラはさっき買った」


「やるでは無いか。それを私に与えよ」


「さっき飲み切った。痛い蹴るな。代わりに駅前で配ってた魔剤やるから」


 本日の探偵部の営業は終了しました。またのご依頼お待ち申して上げております。

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