第3話 カラスはまさかのあの人だった

「く、黒羽⁉」

裏山の道から黒羽が現れた…わけではない。

そう、蓮華と仲のいい喋れるカラス、ウィング、と言う名の鳥型魔術師。

その正体は、実はクラスメイトの黒羽くろばね早智江さちえだったのである。

「ああっ!さちえ姉ちゃんじゃん!」

淳人も僕と黒羽が小6の時調べ学習でグループになり、何人かを引き連れ家へ来たことがあったので、黒羽の存在を知っている。

「そぉでーすっ!ウィングの正体は、このあたし、黒羽早智江でした~っ」

「ウィング…、あんた早智江の体に慣れすぎてるけどさ、早智江に化けてるだけなんだからね…。」

「まー、それもそーだけどさ。黎人と淳人にはその方が分かり易くない?」

「…ていう事は、黒羽は元がウィングで、この姿は変身…?した姿ってこと?」

「じゃーさ、べにばなさんは別にすごくないってこと?ウィングがすごいってこと?」

「ま、それもそー…うぐっ!」

「…そもそもあんたが喋れるのは、私がいろいろ教えてあげたからでしょ?

自分の手柄にすなっ」

「まあつまりは紅花さんが一番すごいってことでしょ。」

何と無く理解した僕が淳人に教える。

「そーいうことか。」

「でもね。鳥型魔術師は超レアなのよっ!」

「はいはい。」と僕。

「はいはーいっ」と淳人。

「うるさいわね」と蓮華。

「もーっ!話聞いてよっ」黒羽、いやウィングが怒る。

淳人はもうこの状況を楽しんでいて、

「じゃあさ、べにばなさんとウィングとにーちゃんでショッピングセンター行こうっ!」

「そうだね。」

「そうしようっ!」

「なんであたしだけ呼び捨てなのっ」

「まあいいじゃん、ウィング。」

美人2人(蓮華には負けるが、黒羽もそれなりに美人である。だがカラス。)と可愛い男の子(淳人はかわいい。年上にモテるらしい)に囲まれた平凡な僕。

いったいこの先どうなることか。まあまあ楽しみである。

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蓮華さんは僕の憧れ 猫原獅乃 @MikoMikko

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