009 呆気ない兎(ラビット)戦
休憩が終わりダンジョンに潜る。普段通りの心境で【
僕は手頃な石を拾い呑気に草を食んでいる兎目掛けて全力で【投石】する。先程まで狩っていた小兎達にも試したがレベルを一つ上げただけでスキルの威力はかなり上がった。【奇襲】など他の要因も絡むとはいえ中々の火力である。
投げた石は兎の頭に直撃し兎は一撃で死ぬことはなかったが脳震盪を起こしてふらふらとしている。僕は追撃として【投石】でもう一つ石を投げる。これもまた頭にクリーンヒット。立ってることすらできなくなった兎は地面に倒れ込む。
兎がまともに動けない状態になったので近づいて短剣で急所をグサっと。すると兎は呆気なく死亡し光の粒子へと変わりドロップを落とした。
終わってみれば当然の結果。本来であればステータスを得た人がレベル2になったぐらいでも挑めるとされる敵だ。レベル4になって基礎能力が大幅に上がってる僕には楽勝で勝てる相手だったと言ってもいい。
こんな結果にはなったが安定して兎を狩ることができると分かったのでこれからは兎との戦闘を避けることなく【索敵】にかかったモンスターは全て倒していくことになる。
兎のダンジョン一階層の全ての敵が安全に倒せることが確定したので今日の探索の予定は変わらないが明日から探索時間を大幅に伸ばすつもりだ。
一度の探索時間を伸ばすのではなく潜る回数を多くする。今まで1日3回の計3時間で探索を行っていたが明日からは1日6回の計6時間を探索の時間にあたるつもりだ。
この探索サイクルをレベルが8になるまで繰り返す。レベルが8になったら兎のダンジョンの二階層に潜るつもりだ。
それまでは一階層で小兎と兎を狩り続けることになる。今の調子で狩り続けていればレベル5になって少しした頃に[兎の敵]という称号を入手できると思う。これは兎系統のモンスターを1000匹撃破した時に獲得できるスキルで効果は兎系統のモンスターへ攻撃を行う際に攻撃力が僅かに上昇するというもの。
こう言った特定のモンスターの撃破を繰り返したり特定のアイテムの採集を何度も行ったりして手に入る称号を実績称号という。実績称号にはレベルが存在する。レベルを一つ上げるには実績称号を獲得するのに必要だった条件をもう一度達成する必要がある。こう言った実績称号をレベル10にすると上位の実績称号に変化して下位の実績称号を失うことになるが上位の実績称号の方が恩恵が強いので積極的に上げるべきものだ。
色々と考えていたがここはダンジョン。考え事は切り上げてモンスターを討伐することに意識を切り替えていこう。僕の【索敵】の範囲にモンスターが引っ掛かれば走って向かい頭部めがけて【投石】。この投石には【奇襲】が乗るので小兎であれば一撃で終わる。それが兎だったら一撃は耐えるが脳震盪を起こしている間に近づいて【短剣術】の補正がかかった短剣で急所を突き刺せば生き絶える。
ドロップした魔石と素材は手早くリュックに詰めて、もう一度【索敵】に引っかかったモンスターに向けて走る。一階層のモンスターが脅威ではなくなった事で出来るようになった効率的な狩りだ。
暫くこの狩り方を繰り返し探索予定時間の一時間に到達したので帰還する。
3日目2度目の探索の結果は小兎121匹、兎14匹という結果になった。小兎1匹を経験値1だとすると兎は経験値5なので合計で191の経験値を獲得したことになる。経験値っていうのは昨日まで最下級モンスターが何匹って言ってたレベルアップに必要な値のことだと思ってくれていい。
レベル5になるにはあと289の経験値が必要になる。今日中の探索では叶わないだろうけど明日にはレベル5になれそうだ。
その後の3度目の探索では132匹の小兎と16匹の兎を狩ることができレベル5に必要な経験値は残り77となった。明日の1度目の探索でレベル5に上がれるだろう。そういえばステータスを一度も見せたことがなかったので見せようと思う。
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名前 安善 大地
性別 男
種族 普人種
職業 見習い狩人 Lv4
状態 平常
魂位 :1
生命力:13
魔力 :6
筋力 :15
体力 :15
知力 :6
精神力:7
敏捷 :14
器用さ:12
抵抗力:8
魅力 :6
幸運 :8
SP :0
獲得スキル
【短剣術】Lv1
【投石】Lv2
【奇襲】Lv1
【歩法】Lv1
【索敵】Lv3
【危機察知】Lv1
獲得称号
なし
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これが僕のステータスだ。
性別が男なので生命力、筋力、体力に補正、種族による補正は無く、職業の見習い狩人で敏捷と器用さに補正がかかっている。職業レベルが上昇する時に補正が一つかかっていれば、その項目がランダムで0〜2だけ能力値が上がる。補正なしならランダムで0〜1だけ能力値が上がる様になっている。
運が悪ければ全くステータスが上昇しないこともある。その点、僕は上昇値もそこまで悪くないのでまずまずのステータスだと思う。
ひとまずはレベル5を目指して頑張ろう。称号が増えるのも楽しみだし職業が変わるのも楽しみだ。何よりも、もし
そこを目標に明日からも頑張って行こうと思う。
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