勇者の夢 第8話
女神様にスキルを貰った後、周囲はもう夕方だったので勇者達はいつものように狩りをした後、なるべく開けた場所で(魔物の住みかが有れば全て倒してその場所の)近くにある木々を必要量+予備分だけ『風』の刃で切り倒し、さらに切り分けた物を勇者のアイテムボックスに入れて、ラストが『シールド』で空気の通り道の穴を(小さい魔物が入り込まないような大きさで)複数個空けながら、できるだけ広いスペースを覆って、勇者は『シールド』の隅に切った木の半分を置いて残りは『アイテムボックス』に入れたままにしておく。
勇者が狩った魔物を『アイテムボックス』から取り出して、主にホルスが解体を始めて、勇者はホルスの手伝いとして一緒に解体をしている。
その間に他のメンバーが焚き火の準備を終えてくれるので、解体が終わってすぐに焚き火に集まり、クイネが『火』で着火させ、魔物の肉を焼いてみんなで会話しながら食事が始まる。(焚き火の『火』は木々に宿っている魔力によって、良く燃えてくれる)
女神様の話しぶりから、このまま進めばあと少しで魔王城に到着できそうな事が分かりパーティーの空気は戦いに向けて、いつもより少しだけ緊張していた。
食事が終わるとラストが『シールド』に一時的に出入口を作ってくれて2人~3人で警戒しながら順番に外に出て、勇者かクイネの『シールド』の中で勇者の『水』を浴びた後、見張りの順番を決めて眠りに付く。
1人ずつ順番で『火』の番をしながら夜の見張りを行っている。
勇者の見張りはいつも3か4番目の固定で、その時に『アイテムボックス』から残りの木を出す事で『シールド』内のスペースを圧迫しないようにしている。
辛い時や元気の無い時でも、レインの『回復』で大抵なんとかなるので、この世界に来てから風邪を引いた事は無い。
夜の見張りの時間はとても暇なので、みんなはその時間で女神様から貰ったスキル効果の把握と、できれば試しながら時間を過ごしていたと思う。(勇者が『カウンター』を試すためには自身がダメージを受けないと発動できなかったので、レインが魔力切れで寝ている時に試すのは危険過ぎると判断した。)
ホルスの『察知』があるのに見張る理由は、見張りの目で見た時の反応の方が『察知』と比べて『統率』による共有速度がほんの少し上回っているからで、『察知』の本領発揮は目に見えない先の事柄や、乱戦時の分かりにくい危機回避だからだ。
そんな事を考えていたら4番目勇者の見張り番が終わり、ホルスと交代になった。(交代の基準は焚き火にくべた木の数)
何事も無く日が昇り、すっかり元気と魔力を取り戻したレインに優しく起こされて一日が始まった。
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