勇者の夢 第4話

勇者達は、ゆっくりではあるが着実に森の中を進んでいた。

そんなある日、勇者の持つスマホにいつの間にか追加されていた女神様からの着信が来た。


勇者「もしもし」

女神「お久しぶりですね、お元気そうでよかったです。そんな頑張っているあなたに新しいスキルをあげましょう、あなたの仲間にもあげますのでスピーカーにしてください。」


彼らは勇者が何をしているのかわからずに見ていると、突然女性の声が聞こえて動揺した。


女神「初めまして、私はこの世界を管理している女神です。あなた達は魔王討伐のために必死に努力されていますね、そんな皆さんに新しいスキルを1つずつあげましょう、何か欲しいスキルはありますか?」


勇者は自身に多くのスキルを与えて、この世界に送った女神だと説明した。

彼らは初めて女神の声を聞いたようで驚いていた。

なぜだか彼らは跪き、勇者はそれを見て釣られるように跪いて全員で女神様に挨拶した後にどんなスキルを願うか考えた。

話し合いの結果、勇者、アラン、ラストは魔物の群れが襲って来た時に感じていた「力不足を克服したい」と願い『身体強化』を貰った。

ホルスは用意していた矢がボロボロになっていたので「魔力で矢を作りたい」と願い『魔力形成』を貰った。

クイネは『シールド』レインは『水』を願い、貰った。

2人がそのスキルを願った理由は「勇者やラストに頼らずに水を飲んだり、攻撃をある程度自身で防げるようになりたかった」らしいが、もう1つの理由が(2人だけで水浴びができるようになりたかった)だと勇者は思った。

なぜならいつもクイネとレインは、ラストに自分達の姿が見えないように『シールド』で覆って貰い、勇者に頼んでその中に『水』をそれなりに流して貰って水浴びをしていたからだ。


『魔力形成』

自身の魔力を使用して物体を形作る

〈デメリット〉

『シールド』と違って様々な形を作れるが強度をあまり上げられない

使用者が作りたい形を想像できなければこのスキルは発動できない。

〔隠し効果〕

サイズの小さい物ならば使い捨てできるくらいの武器にする事ができる。


女神「それでは皆さん、これからも頑張ってくださいね」

通話終了


それから勇者達は日々の生活や狩りの時に貰ったスキルを試して理解した、さらに使い込む事で性能が少しずつ上がるのを感じていた。


ある日、勇者達は不自然に開けた場所を見つけた。

ラストによれば、ここは元盗賊団のアジトでヘレス率いる王国騎士団が壊滅させた場所らしいが、王国騎士団が去った後、おそらく勇者達を襲った魔物の大群がここに生息していたのではないか、という推測を聞いた。

勇者達は安全を確保した後、多少の警戒をしながら久々に周りの木々を気にせずに勇者とアランは剣を振って練習ができた。

夜は全員で焚き火を囲んで今後の事を話し合い、寝方を気にせずに広々と寝られた


勇者にとって森に入ってから初めて、広く心を落ち着けられる場所だった。

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