魔王

魔王は勇者と車に轢かれて死にそうな所を女神に助けられ、事故の記憶を『忘却』で忘れさせられた。

目覚めた魔王は女神に異世界に行って欲しいとお願いされ、魔族国に召喚された。

そこに居たのはバレット、バーン、ルーク、マナの4人の魔族だった。

初めて見た時は彼らの怖い見た目から物陰に隠れたりもしたが会話や剣術の稽古、筋力鍛練を通して魔王は彼らの状況を知り、女神に貰った力で彼らの力になりたいと思った。

だけど、元々日本の一般人だった魔王は何をすれば良いのか分からなかったので、作戦会議の時は毎回女神様に電話をして一緒に考えていた。

彼らと打ち解けた関係になった後は恋愛相談を聞いたり、気晴らしに剣術で一緒に体を動かしたりしていた。

同時に魔術を絡めた戦闘方法の練習を始めた。

魔術の練習をする中で限界まで強くなった『水』が派生して『氷』魔術を習得した。

しかし、勇者に向かった彼らは次々と消息を絶った。

最後に残った2人も、勇者の体力を削るために魔王城前で勇者に挑んだ。

しばらくして戦闘音も止み、爆発音がした少し後に勇者が魔王の部屋に入り、顔を見た時驚いた。

同時に日本で起こった事故の記憶を思い出した魔王は、日本で少し気になっていた人が自分の仲間を殺したと思われる状況に悲しみ、そして怒った。

怒りに任せて魔王の持つ全てを勇者にぶつけた後、諦めと共に彼らに会いたいと言うと、勇者は私を殺さず、理解できない行動で奇跡を起こして互いに記憶が共有された。

その中で見た勇者の夢は…また後で。

勇者との戦いの後、前に女神と約束した「女神のできる限りで願いを叶えてくれる」を2人分使い、勇者の『アイテムボックス』の中に小さな世界と、日本の庭付きの頑丈で大きな家を作って貰った。


『小さな世界』

女神によって作られた世界、その中で生活する生物の魔力が流れる事でその形を保っている。

ゴミなどは魔力で分解、消滅させる事ができる。

〈デメリット〉

世界を維持するための消費魔力がとても多い

中に居る生物の魔力が一定を下回る、もしくは全員が外に出てしまうと世界は消滅する。


大きな家(魔力家電付き)

家の中で生活する生き物の魔力を使って、様々な魔力家電を動かせる

家の内外で一定以上の威力の魔術を使った時それを魔力に変化させ吸収し流して無効化する事ができる家(家その物は魔術も物理的な攻撃でも傷一つ付かない)

女神様以外で家を破壊できない。

〈デメリット〉

最低限の魔力が流れなければ(破壊できない事を除き)全てが機能しなくなる。


生活に必要な食糧を入手するためにバレットとバーンは新たに『土』魔術を女神様に願って習得し、田んぼと畑を作ってお米や野菜を作り始めた。

ちなみに私達の服は、誕生日や出産祝いで女神様に「欲しい物はあるか?」と聞かれた時に貰った服です。

今の生活はとても幸せで、みんなで仕事を分担しながら子供達の面倒も見ています。




女神「これを読んでいる皆さんお久しぶりです。

彼らの人生はいかがでしたか?私は仕事が少なくなり暇になったので魔王ちゃんに会いに来たら、魔王ちゃんに王国の精鋭達がその後どうなったのか、今までどんな人生を送ってきたのか、などを質問責めされましたので答えていると、(女神様のその後を書いて欲しい)と魔王ちゃんに言われたので、これを書いています。それでは勇者と魔王ちゃんがほぼ同一人物になり、『アイテムボックス』の中で生活するようになった後の話です。私を信仰する人間は減って、5人の英雄達を信じて生活する人間が増えた結果、私には新たなスキルを作れるほどの魔力は集まらなくなりました。まあ、一番の原因は勇者と魔王ちゃんの願いを叶えるために使いすぎたせいですが…。そんな訳で今の私は大きくなった魔物や人間、魔族などが私に祈った時に基本的なスキルをランダムで1つか2つ渡すくらいしか仕事はありません。なので、よくこの世界に来てはバルトくんやサフィアちゃん、メシスちゃんと一緒に遊んだり、魔王ちゃんと話しています。もちろん仕事はサボっていませんよ!」

これくらいで良いかな魔王ちゃん

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