5人の英雄
アランは王様と召し使いの子だった。
召し使いがアランを身籠った事に気付き王様に相談して、しばらく暮らすには十分な量のお金を貰って町へ逃げた。
召し使いは家を買ってそこでアランを出産した。
アランの母は子育てのために安定した仕事を見つけて働きながらアランを育てた。
平民として育ったアランは身体能力が高く、みんなに頼られる優しい子で剣術の才能があった。
母はそんなアランのために頑張ってお金を貯めて学校に行かせて読み書きと剣術を習わせた。
大きくなったアランは母に楽をさせるために冒険者となって王国近くの弱い魔物を倒してお金を稼ぎ始めた。
何回かパーティーを組んで実戦経験を積んだアランはそれを元に戦術を考えるようになるが誰にも言わずに、その時のリーダーの指示に従っていた。
段々と冒険者ランクが上がって、周囲から頼られたり意見を聞かれるようになると、自分の考えを言うようになり、〈最高のリーダー〉と呼ばれるようになった。
色々な人とパーティーを組む中で、魔術師のクイネとレンジャーのホルスと出会い仲良くなった3人で固定パーティーを組んだ。
そんなある日、王国に魔王からの宣戦布告が届いた
王様は力の有る者を集め、その中で一番秀でた者達を召喚された者と組ませて王国最強のパーティーにするつもりだった。
その時に、王国騎士団で一番強いタンクのラストと、教会一番の聖女レインと出会い〈5人の精鋭〉となる。
戦争後は英雄と呼ばれ、アランは次期国王となって国を治めた。
クイネは子供の頃から友達と遊ぶのが好きだった。
しかし、周りの子達が弱い魔術で遊び始めた時に自分も一緒に遊びたくなり魔術を覚えると、明らかに威力が周りと違って高く(王国魔術団の弱いレベルの魔術)、一緒に遊ぶのを断られたクイネは1人になってとても寂しかった。
友達が欲しかったクイネは自ら志願して王国魔術団に入ったが、それでも周囲と違う魔術の威力でみんな(上級貴族の子供)に嫉妬され、連携も取れず居場所の無い環境だったので、クイネは魔術団を辞めて冒険者になった。
冒険者は互いに異なる職業でパーティーを組むのでクイネはとても頼りにされた。
苦手な連携もパーティーメンバーに教えて貰いながら覚えた。
そんな時に出会ったのがアランとホルスだった。
戦争後は英雄と呼ばれ、クイネは次期王妃となってアランを支えた。
ホルスは赤子の時に森に捨てられて、エルフの一族に拾われて育てられた。
エルフの里で師匠と出会い、色々な事を教えてくれて、多くのスキルを覚えた。
成長し、1人で森を歩けるようになったホルスはエルフの族長達の会議で王国に帰る事が決定した。
エルフの里を出て王国に帰ったホルスは生活費を稼ぐために冒険者になり、そこで出会ったのがアランとクイネだった。
戦争後は英雄と呼ばれ、ホルスは国王直属の護衛になってアランとクイネを守った。
ラストは騎士の家系に生まれ順当に騎士団に入り、守りの面で実力を発揮して副団長に上り詰めた。
団長ヘレスの攻めと副団長ラストの守りの最強コンビだったが、ヘレスは貴族に有らぬ疑いがかけられ王国から逃げて行った。
その後ラストは親友のヘレスを見る事はなかった。
団長を引き継いだラストが落ち込んでいた時、魔王からの宣戦布告が王国に届き、召集されて新な仲間ができた。
レインは教会で育った子供だった。
理由はわからないが教会の人が言うには、ある日の朝にレインは教会の入口に置かれていたらしい。
他にも同じような境遇の子供が何人か教会で生活している。
教会には、よくケガや病気の人達が『回復』魔術を求めて来る、中には重傷の人を支えて来る人がいる。
そんな人達を間近で見ていたレインは、(自分には何かできる事は無いのか)と考えるようになった。
大人になり、目の前で『回復』が間に合わずに息を引き取りそうな人を見て(助けたい)と思ったその時、レインに『回復』の力が目覚めた。
それからは数えきれない人数を『回復』で治した。『回復』は使えば使う程にその力は強力になっていき、レインは〈聖女〉と呼ばれるようになった。
しかし、レインはいつ来るかわからない患者のために、教会の敷地の外に滅多に出る事が無く、外の世界に少し憧れていた。
そんなある日、魔王からの宣戦布告により王様からの召集を受けた。
初めて仲間ができて、国外に出て色々な事を経験し、運命の人も見つけた。
戦争後は英雄と呼ばれ、ラストとレインは王国騎士団と教会に戻るが、仕事の合間に何度かデートに出掛けていた。後に2人は結ばれ幸せに暮らした。
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