第10話 逃れられぬ運命
バーンとの戦いからしばらくして勇者は砂漠を抜け、森に入り山を登り始めた。あんに沢山狩った魔物(食糧)が底をつきそうになったので、再び魔物を狩ろうとするが山の中で魔物と戦うのは危険で、斜面で足を踏み外せば木々にぶつかり、運が悪ければ麓まで落ちてしまうので(シールドで全身を包んでいたので無事だった)剣は使わずに魔術による遠距離攻撃で狩りをするようになった。
そんなある日、また神様からの着信があった。
女神「お久しぶりです元気でしたか?魔王の配下も残り2人、頑張っているあなたに新しいスキルを上げます、どんなスキルが欲しいですか?」
勇者は少し考えた後
勇者「戦ってる時に剣と魔術を一緒に使うのが疲れるから、自動で魔術が使いたい。」
女神「全自動はダメなので、どんな時に自動で魔術を使いたいですか?」
勇者「じゃあ、死にそうになった時でお願いします。」
女神「わかりました。」
『カウンター』
HPが50%未満になると自身の魔力を消費して所持してる一般魔術(火、水、風、土、光、影、植物、シールド、回復)の中であらかじめ選ばれた1つが自動で発動する。
〈デメリット〉
自動で発動する一般魔術のレベルはカウンターのレベルと同じになる、一撃でHPが0になったら発動しない、発動条件を満たした時に強制発動してしまう。
勇者「ありがとう」
女神「それでは頑張ってくださいね」
通話終了
勇者は『回復』魔術を選択した。
それから勇者は山を登り、頂上に着いて見渡した景色の遠くの方に魔族の国と、その中心に建っている魔王城が見えた。
王国では王国軍の優勢で戦争は続いていたが、魔王軍側の援軍が到着し、5人の精鋭達に少し疲れがみえはじめ、互いの戦力差は縮まり接戦となった。
魔王城では最後の会議をしていた。
ルーク「バーンは倒され、人間はもうすぐこの国に辿り着くでしょう。」
マナ「私達もあの人間と戦う事をお許しください。」
魔王は何も言わず頷いた。
ルーク「それでは行って参ります。」
マナ「魔王様お元気で…」
2人が部屋から出て行った後、1人になった魔王は自身の持つスキル『運命』の効果を見た。
『運命』
世界に2つしか無いスキルで互いに引かれ合う、決められた目的以外で死ににくい。(目的=運命を持つ2人が出会う事)
〈デメリット〉
2人のスキル所持者はどちらかが死ぬまで戦い続ける。
それを見て魔王は勇者が死ぬ可能性が低い事、自分が勇者と戦う事は『運命』でほぼ決まっている事を知っていて堪えていた声を出して泣いていた。
同時刻、長旅の末に勇者は魔族の国に到着した。
防壁の扉を剣で斬り倒して中に入り、先を急いだ。
街中を歩いていても魔族の姿は見当たらない。
勇者は魔王城へ急いだ。
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